by Lawrence Alma-Tademaアルマ=タデマの作品の中で、私が一番敬愛している一枚。ラファエル前派については、二十代前半に集中的に勉強して、今でも研究書や画集が残り香のようにして書棚に眠っている。私があの頃好きだったのは、ウォーターハウスだった。でも、今は同じラファエル前派でも、アルマ=タデマに惹かれる。特に、この花を髪に数知れなく飾りつけた女性の、やさしい、どこか聖なる微笑には、特異な力を感じる。男...全文を読む
by Luigi Russolo前回の続きのページですが、画廊を歩いていて、私は画家自身が意図的に自分を美化している作品が二流のものであるように感じました。一流のもの、観覧者が思わず立ち止まってずっと眺めていた絵は、むしろ画家自身の深い「精神性」を感じさせるものだったと感じます。つまり、描かれた自己は既に他者化されてしまうわけですが、そうした仮面を通じて伝わる「内面性」が、画家の悲劇や厳しい運命などと重なる時、...全文を読む
by Georges Seurat 現在、立て続けに二つの掌編小説を書き上げ、推敲作業をしている。二つとも、自分が思うにダークな作品に仕上がった。どちらも異端的かつ悪魔的な世界が登場するが、それはもしかすると三人称形式で小説を書く上での私の作風だったのかもしれない。いずれにしても、一から物語を構築する作業は楽しい。頭を使うし、何より「書きながら同時にスリルを味わう」ことができる、という稀有な悦びがある。これは一度...全文を読む
「Saulyna Menulyna by Akiss Paraskevopoulos」私が小説にこれほどまでに執着せざるをえないのは、小説が哲学、及び宗教と性格を完全に異にしているからである。哲学は我々を整理し、前進させる。宗教は我々の孤独に対して、「君は一人ではない」ということを悟らしめる。文学は?文学は、それらを全て裏切る。文学、文学の美は、そして脅威は、まさに書く行為によって主体を破壊し尽くすことにこそある。文学は、そうであるがゆ...全文を読む
by Takeshi Yamadaこれはヤマダタケシの「妖精の化石」という作品です。こんな化石を発見したらって思うと、ワクワクするのは私だけではないはず。非常に面白くてユニークな作品です。by Remedios Varoこれはマルケスの『百年の孤独』の挿絵にも使われているので有名な絵ですが、レメディオス・ヴァロという女流画家の「私は螺旋状に旅をする」という作品です。どこか、永劫回帰というか、「時の循環」をイメージさせる神秘的な絵...全文を読む
by Steve Hanks星空文庫様にて、「M・ハイデッガー論集成」を掲載させていただきました。哲学的エッセイという仕立てで、全部で五つの草稿になっています。基本的に、ハイデッガー全集を私が読解して「感じたこと、考えたこと」はこの五つの草稿にほぼ結晶化されております。ハイデッガーに関心のある学生の方も、あまり哲学に関心のない女性の方にも、メッセージとして伝わるものは必ずあると確信しておりますので、また御時間が...全文を読む