【  2010年12月  】 更新履歴 

  12.31.  【 † 映画 † 】  ポール・トーマス・アンダーソン『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』   さわりを読む▼
  12.24.  【 † 美術/アート † 】  アルマ=タデマは、なぜ彼女にこれほどの花冠を与えたのか?   さわりを読む▼
  12.23.  【 † 現象学  † 】  ヴァレリーの、スピリチュアルな瞑想論のテーマは、「自分の木」を認識すること、にあるが、この思想的背景には、どうやら、北欧神話の神樹崇拝が、あるようである   さわりを読む▼
  12.23.  【 † 現象学  † 】  ポール・ヴァレリーの芸術論は、不完全であり、彼の「主体性」についての考え方も、最早、現代的に通用、しない   さわりを読む▼
  12.23.  【 † キリスト教神学 † 】  聖書の、parergonality(余白性)について、グノーシス文献『この世の起源について』から、考える   さわりを読む▼
  12.23.  【 † キリスト教神学 † 】  創世記は人為的に編纂されたものである以上、10章と、11章に見られるような、時系列の逆転が、発生しうる   さわりを読む▼
  12.22.  【 † キリスト教神学 † 】  イエスの「奇蹟」を、現に知覚するためには、聖書を「読む」上で、自己をその場に居合わせた一人の観察者として、認識することが必要になる   さわりを読む▼
  12.22.  【 † 文学 † 】  ヘルタ・ミュラーの短編集から~   さわりを読む▼
  12.19.  【 † 展覧会 † 】  ウフィツィ美術館自画像コレクション展 Ⅱ   さわりを読む▼
  12.19.  【 † 展覧会 † 】  ウフィツィ美術館自画像コレクション展 Ⅰ   さわりを読む▼
  12.18.  【 † 映画 † 】  黒澤明の『羅生門』と、『こんな夢を見た』   さわりを読む▼
  12.16.  【 † 文芸理論 † 】  執筆状況の報告   さわりを読む▼
  12.13.  【 † 文学 † 】  「聖なる書物」についてのメモ   さわりを読む▼
  12.10.  【 † 文芸理論 † 】  考える、整理する (+   さわりを読む▼
  12.08.  【 † 美術/アート † 】  レミディオス・ヴァロと、ヤマダタケシの作品の紹介   さわりを読む▼
  12.08.  【 † 文学 † 】  気になっている作品   さわりを読む▼
  12.06.  【 † 音楽 † 】  ディズニー映画の持つ「力」   さわりを読む▼
  12.06.  【 † 映画 † 】  『美女と野獣』は、何故あれほど素敵な物語なのだろう   さわりを読む▼
  12.05.  【 † 文学 † 】  狂っている人間はどこにでもいるが、狂い、かつ、知的な人間は数少ない   さわりを読む▼
  12.03.  【 † 文芸理論 † 】  面白いオンライン小説を紹介してみるページ   さわりを読む▼
  12.03.  【 † 文学 † 】  トマス・ピンチョン 『メイスン&ディクスン』   さわりを読む▼
  12.03.  【 † 存在論 † 】  鈴村智一郎からの、お知らせ   さわりを読む▼
  12.02.  【 † 音楽 † 】  虫けらどもをひねりつぶせ!   さわりを読む▼

◆2010年11月     ◆2010年12月       ◆2011年01月

ポール・トーマス・アンダーソン『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』 

† 映画 †


 ゼア・ウィル・ビー・ブラッド [DVD](2008/08/20)ダニエル・デイ=ルイス、ポール・ダノ 他商品詳細を見る石油王を目指す主人公の男は、この世界の根本原理を「資本」であると考えています。一方、彼が買収した土地で暮らしていた青年は、「信仰」こそが世界の根本的な原理であると確信しています。この青年のキャラクター性は、これまで観てきた映画作品にはなかなか見られない造形で、私には斬新でした。彼は石油王に見られるよう...全文を読む

アルマ=タデマは、なぜ彼女にこれほどの花冠を与えたのか? 

† 美術/アート †


 by  Lawrence Alma-Tademaアルマ=タデマの作品の中で、私が一番敬愛している一枚。ラファエル前派については、二十代前半に集中的に勉強して、今でも研究書や画集が残り香のようにして書棚に眠っている。私があの頃好きだったのは、ウォーターハウスだった。でも、今は同じラファエル前派でも、アルマ=タデマに惹かれる。特に、この花を髪に数知れなく飾りつけた女性の、やさしい、どこか聖なる微笑には、特異な力を感じる。男...全文を読む

ヴァレリーの、スピリチュアルな瞑想論のテーマは、「自分の木」を認識すること、にあるが、この思想的背景には、どうやら、北欧神話の神樹崇拝が、あるようである 

† 現象学  †


 ヴァレリーは、『樹についての対話』の中で、一つの、瞑想論を、提示している。これは、ルクレティウスと、ティティルスによる、対話篇であるが、神話論的、かつ、宗教的な、意義も、濃密に帯びている作品である。ヴァレリーが彼ら二人に語らせているところによれば、我々の、この身体の中には、少なくとも、一本の木がある。この木を、仮に、「自分の木」と、呼称する。この自分の木は、我々の精神や、感性の影響作用のもと、また...全文を読む

ポール・ヴァレリーの芸術論は、不完全であり、彼の「主体性」についての考え方も、最早、現代的に通用、しない 

† 現象学  †


 ポール・ヴァレリーの『エウパリノス』を読んだ。『エウパリノス』ここで、ヴァレリーは芸術の中で至上のものが、「建築」であると規定している。これには彼なりに三つの理由がある。1、建築は、実用的である。つまり、身体にとって2、建築は、美である。つまり、魂にとって3、建築は、持続である。つまり、時間にとってそして、建築の創設は、人間が「無限」の空白を回避するために行われてきたものであると謳歌している。この...全文を読む

聖書の、parergonality(余白性)について、グノーシス文献『この世の起源について』から、考える 

† キリスト教神学 †


 聖書は、旧新約を含め、この世界に起きる、一切の現象の、原型―アーキタイプ、として、ある。聖書の原文は、これまで数知れない言語に、翻訳されてきたわけであるが、しかし、未だ、全く、誰も、翻訳していない箇所が、一箇所だけ、存在するのである。それを知る、手掛かりとなる文献が、ナグ・ハマディ文書『この世の起源について』に、ある。この本は、典型的な、グノーシス文献の、一冊として名高いのであるが、ここで、神の創...全文を読む

創世記は人為的に編纂されたものである以上、10章と、11章に見られるような、時系列の逆転が、発生しうる 

† キリスト教神学 †


 創世記を、注意深く読んだことのある読者なら既に知っているかもしれないが、これは時系列に沿って書かれたわけでは、ないのである。その証拠に、10章と、11章は、明らかに、順序が逆である。もともと、創世記とは、一人の作者が書き上げたものではなく、古代イスラエルに存在していた、数多くの創世神話を、多くの編者たちが、編み上げた―練成した、ものなのである。ちなみに、学術的な観点からおおよその成立年代も算定され...全文を読む

イエスの「奇蹟」を、現に知覚するためには、聖書を「読む」上で、自己をその場に居合わせた一人の観察者として、認識することが必要になる 

† キリスト教神学 †


 「あの二本のオレンジ色の塔を越えた辺りに、私が暮らしている家が、ある」今日、私は夜に堤防をサイクリングしていたが、その時感じていたのは「啓示がこの空間の、どのあたりに、現にあるか―転がっているのか」という些細な問題だった。「啓示」というのは、それを得ることによって主体が超越化するものである。そのようなものはサイクリングしている限り、見つけることができなかった。ただし、私は「世界」を、観たのであって...全文を読む

ヘルタ・ミュラーの短編集から~ 

† 文学 †


 ヘルタ・ミュラー短編集 澱み(2010/10/14)ヘルタ・ミュラー商品詳細を見るヘルタ・ミュラーは2009年にノーベル文学賞を受賞した、若い頃の美貌を感じさせるルーマニア生まれのドイツ系女流作家である。これは彼女が内面的な苦悩から、書かざるを得なかったという短編集である。「ヴルッチュマンさん」の感想だけここに書いておきたい。これは、よくある話といえばそうなのだが、戦争世代の老人が「イマドキの若者は! たるん...全文を読む

ウフィツィ美術館自画像コレクション展 Ⅱ 

† 展覧会 †


 by Luigi Russolo前回の続きのページですが、画廊を歩いていて、私は画家自身が意図的に自分を美化している作品が二流のものであるように感じました。一流のもの、観覧者が思わず立ち止まってずっと眺めていた絵は、むしろ画家自身の深い「精神性」を感じさせるものだったと感じます。つまり、描かれた自己は既に他者化されてしまうわけですが、そうした仮面を通じて伝わる「内面性」が、画家の悲劇や厳しい運命などと重なる時、...全文を読む

ウフィツィ美術館自画像コレクション展 Ⅰ 

† 展覧会 †


 今日は朝から国立国際美術館で開かれている「ウフィツィ美術館自画像コレクション展」を観覧してきました。これは私が二年間働いた自分への「ごくろうさま」という意味をこめたイベントだったりします。もう少しで彼女と東京でも芸術系のイベントに参加するつもりですが、今回は一足先に一人で愉しんできました。ガラス型のピラミッドの地下三階という斬新な構造の美術館です。建物自体がアート、という構造の美術館はかなり好きで...全文を読む

黒澤明の『羅生門』と、『こんな夢を見た』 

† 映画 †


 黒澤明の『羅生門』を観た。中学時代に芥川龍之介の童話集に入っていたはずだが、内容を失念していた。観終わって、どういうテーマであったのか思い出した。これは「猜疑心」が世に蔓延る時勢にあって、それでも人を「信じる」ことで生の活路を見出すという美しさを描いている。ラストで登場する赤子についての二人の男の会話は、その象徴だろう。三人の人間がいれば、三通りの世界観、三通りの解釈項が現れる、という現象がベース...全文を読む

執筆状況の報告 

† 文芸理論 †


 by Georges Seurat 現在、立て続けに二つの掌編小説を書き上げ、推敲作業をしている。二つとも、自分が思うにダークな作品に仕上がった。どちらも異端的かつ悪魔的な世界が登場するが、それはもしかすると三人称形式で小説を書く上での私の作風だったのかもしれない。いずれにしても、一から物語を構築する作業は楽しい。頭を使うし、何より「書きながら同時にスリルを味わう」ことができる、という稀有な悦びがある。これは一度...全文を読む

「聖なる書物」についてのメモ 

† 文学 †


 場所と産霊 近代日本思想史(2010/07/29)安藤 礼二商品詳細を見るメモ○「多(マルチチュード)」と「一(ユニオン)」の交換可能性は、世界のあらゆる事象において成立する。○スウェデンボルグは、聖書に記されていることは全て、例外なく「真実である」と確信していた。そうすることで思想形成していった。このスタイルは重要だと思われる。○トマス・カーライルは1833年に、「世界史とは、あらゆる人間が解読すると同時に書か...全文を読む

考える、整理する (+ 

† 文芸理論 †


 「Saulyna Menulyna by Akiss Paraskevopoulos」私が小説にこれほどまでに執着せざるをえないのは、小説が哲学、及び宗教と性格を完全に異にしているからである。哲学は我々を整理し、前進させる。宗教は我々の孤独に対して、「君は一人ではない」ということを悟らしめる。文学は?文学は、それらを全て裏切る。文学、文学の美は、そして脅威は、まさに書く行為によって主体を破壊し尽くすことにこそある。文学は、そうであるがゆ...全文を読む

レミディオス・ヴァロと、ヤマダタケシの作品の紹介 

† 美術/アート †


 by Takeshi Yamadaこれはヤマダタケシの「妖精の化石」という作品です。こんな化石を発見したらって思うと、ワクワクするのは私だけではないはず。非常に面白くてユニークな作品です。by Remedios Varoこれはマルケスの『百年の孤独』の挿絵にも使われているので有名な絵ですが、レメディオス・ヴァロという女流画家の「私は螺旋状に旅をする」という作品です。どこか、永劫回帰というか、「時の循環」をイメージさせる神秘的な絵...全文を読む

気になっている作品 

† 文学 †


 精神 [DVD](2010/07/24)ドキュメンタリー映画商品詳細を見るまだ読んだり観たりしてないけれど、気になっている作品のリストを幾つかあげます。まず一つ目は想田さんの『精神』というドキュメンタリー映画。極めて国際的に高い評価を受けた作品で、早く観たいという想いが募る。おしゃべり,子供部屋(2009/10)ルイ・ルネ・デ・フォレ商品詳細を見るフォレの小説集。火山の下 (EXLIBRIS CLASSICS) (エクス・リブリス・クラシックス)(...全文を読む

ディズニー映画の持つ「力」 

† 音楽 †


 ちなみに、ディズニーのサントラなら『ライオンキング』のこのシンバたちの歌が好きです。少年時代ってこれくらいみんなヤンチャなんですよね。私もよく担任教師に怒られたり教室の中で鬼ごっこしたり(たしか中学時代までしていたような)していました。「元気」をもらえる音楽ですよね。...全文を読む

『美女と野獣』は、何故あれほど素敵な物語なのだろう 

† 映画 †


 生まれて初めてディズニー映画を観たのは、確か『アラジン』だったと思う。子供ながらに本当に楽しんで観ていて、私の妹も弟も大好きだった。でも、私が今でもその素晴らしさに耽溺してしまうのは、やはり『美女と野獣』だ。私の母親が、王子さまに戻る前の、苦悩している野獣が好きだ、などと昔私に語ってくれたことがあった。その時の母親の感覚は、今の私にも伝わる。このステンドグラスのように美しく神秘的な物語で、一番私が...全文を読む

狂っている人間はどこにでもいるが、狂い、かつ、知的な人間は数少ない 

† 文学 †


 今、一番日本で活躍している作家の中で誰が好きか、誰を尊敬しているか、ときかれて彼以外の人物を答えることはないと思うほど、私は大江健三郎を敬愛している。彼の作品を初めて読んだのは中学時代の「飼育」だったが、その時の文体の異常さと、伝わるイメージの圧倒的かつ濃密なリアリティーは現今の若手が到底簡単に模倣できるものではないだろう。十代後半から私も小説を書く、という行為をしてきたけれど、色々な挫折を伴う苦...全文を読む

面白いオンライン小説を紹介してみるページ 

† 文芸理論 †


 本が好きなだけでなく、書くのも好きというような方は増えていると思います。私もその一人ですが、今回は「プロ」と「セミプロ」の垣根を越えて、オンライン小説の世界で私が注目している書き手を何人か紹介させていただこうと思います。前回もこれと似た試みはさせてもらったことがあると思いますが、今回は私が書く時に何らかの刺激を与えてくれる書き手さんたちを紹介してみます。ちなみに、こういうオンライン作家さんたちは、...全文を読む

トマス・ピンチョン 『メイスン&ディクスン』 

† 文学 †


 トマス・ピンチョン全小説 メイスン&ディクスン(上) (Thomas Pynchon Complete Collection)(2010/06/30)トマス・ピンチョン商品詳細を見るトマス・ピンチョン全小説 メイスン&ディクスン(下) (Thomas Pynchon Complete Collection)(2010/06/30)トマス・ピンチョン商品詳細を見る大型書店の海外翻訳小説のコーナーにきっと並んでいると思います。トマス・ピンチョンの『M&D』です。まず、装丁が童話的で、私好みで思わず手にとっ...全文を読む

鈴村智一郎からの、お知らせ 

† 存在論 †


 by Steve Hanks星空文庫様にて、「M・ハイデッガー論集成」を掲載させていただきました。哲学的エッセイという仕立てで、全部で五つの草稿になっています。基本的に、ハイデッガー全集を私が読解して「感じたこと、考えたこと」はこの五つの草稿にほぼ結晶化されております。ハイデッガーに関心のある学生の方も、あまり哲学に関心のない女性の方にも、メッセージとして伝わるものは必ずあると確信しておりますので、また御時間が...全文を読む

虫けらどもをひねりつぶせ! 

† 音楽 †


 自分から裸になれない女なんて皆殺しだよな? 咥えた煙草で乳首を焦がせないような女も当然だよな?...全文を読む

更新履歴カレンダー