【  2011年05月  】 更新履歴 

  05.31.  【 † 映画 † 】  『ブラックスワン』のあまりにもマルシュアスな香り   さわりを読む▼
  05.21.  【 † 映画 † 】  ヤン・シュヴァンクマイエル『オテサーネク』   さわりを読む▼
  05.17.  【 † 神秘主義 † 】  アマテラス信仰   さわりを読む▼
  05.14.  【 † 小説集 「純文学系」 †  】  小説 『 世界の解剖 』   さわりを読む▼
  05.11.  【 † ジャック・デリダ † 】  「誰が最初に<わたし>を書くか?」―デリダをめぐって―   さわりを読む▼
  05.07.  【 † 宗教学 † 】  「内面性」の宗教の系譜   さわりを読む▼
  05.07.  【 † 神秘主義 † 】  ウロボロスの蛇は間違っている   さわりを読む▼
  05.07.  【 † 神秘主義 † 】  時間の「蝸牛構造論」のためのエスキス   さわりを読む▼
  05.07.  【 † 神秘主義 † 】  キリスト教神学は、何故「輪廻」の教えを異端として排斥するのか?   さわりを読む▼
  05.04.  【 † 宗教学 † 】  イスラム教神学とキリスト教神学の構造的カップリングについて   さわりを読む▼
  05.04.  【 † 宗教学 † 】  ルーマンの宗教論について   さわりを読む▼
  05.02.  【 † 映画 † 】  3・11以後の世界観モデルとしての、A・タルコフスキーの可能性   さわりを読む▼
  05.01.  【 † 小説集 「幻想系」 † 】  小説 『 ファンタジア 』   さわりを読む▼

◆2011年04月     ◆2011年05月       ◆2011年06月

『ブラックスワン』のあまりにもマルシュアスな香り 

† 映画 †


 『英国王のスピーチ』アカデミー作品賞に輝いた映画『英国王のスピーチ』を観た。主演のコリン・ファースの演技力が本当に巧いと思う。吃音で悩む、短気で内気なイギリス王ジョージ六世が主人公で、彼を治療する言語療法士ライオネル・ローグとの交流の物語である。エリザベス妃が、「私は王ではない」と夫がプレッシャーで押し潰されて苦悩しているのを、「わたしの可愛い吃音さん」と慰めるシーンがあるが、これには普遍的な夫婦...全文を読む

ヤン・シュヴァンクマイエル『オテサーネク』 

† 映画 †


 チェコの異端的映画監督ヤン・シュヴァンクマイエルの『オテサーネク』は、童話をベースにしたグロテスクな作品である。流産によって狂気の兆候を見せる母親が、偶然夫が土から掘り起こした「切り株」をその形状から「我が子」と錯覚し、育て始める。彼女が安らかな表情で切り株に授乳している姿が奇々怪々という他ない。切り株は当初、たんなる自然のものに過ぎなかったが、やがて母親の霊が分離して憑依したのか、あるいは亡き子...全文を読む

アマテラス信仰 

† 神秘主義 †


 バッハオーフェンは大著『母権論』の中で、あらゆる宗教の根本的な本質は、「女性性」であると明言している。カトリシズムがプロテスタンティズムよりもいっそう女性的であるといわれる所以は、ジュリア・クリステヴァがいみじくも述べたように、その教義に「マリア崇拝」を含み込んでいるからである。日本にも古来より、母神でありつつ処女懐胎した女神が存在した。記紀神話に登場する「アマテラス」である。アマテラスは神々の最...全文を読む

小説 『 世界の解剖 』 

† 小説集 「純文学系」 † 


 by Govard Bidloo 夜の街で、「誰にでも蹴られます、殴られます、但し一回につき千円貰います」という看板を立てている弱々しい猫背の青年に遭遇した。彼は自らを、殴られ屋と称していた。既に僕が通りかかった時、彼の顔面は数知れない暴力の痕跡を明瞭に留めていた。彼の顔は膨張し、頬の圧迫によって涙腺が常に弛緩するような状態にまでなっていた。僕はその、潰れることを自ら希求するような涙ぐましい顔を見て、彼に何か独...全文を読む

「誰が最初に<わたし>を書くか?」―デリダをめぐって― 

† ジャック・デリダ †


 アーカイヴの病 (叢書・ウニベルシタス)(2010/11/04)ジャック・デリダ商品詳細を見るarchiveとは何であるか?これは、デリダ的な意味で「神」とは何かを解き明かす鍵概念である。アーカイヴ――それは「始まり」、「掟」を意味している。語源的には、ギリシア語のアルコン(アテナイの執政官の居住地)を意味するこの概念の謎に迫るのが本書だ。例えば、聖書における「土地」のアーカイヴとは何であろうか?それは、やはりエデンの園...全文を読む

「内面性」の宗教の系譜 

† 宗教学 †


 今日の宗教の諸相(2009/05/26)チャールズ テイラー商品詳細を見る本書は、W・ジェイムズの『宗教的経験の諸相』を、現代において蘇生させようとした、比較的読みやすい入門書的な本である。本書で明らかに重大な内容が語られていたので、その部分を先に引用しておきたい。「……宗教の真の場所は集団的な生き方ではなく、個人の経験の中にあることになる。これはジェイムズの主張の一面である。そして、もう一つの面は、その真の場...全文を読む

ウロボロスの蛇は間違っている 

† 神秘主義 †


 時間は、矢ではない。聖アウグスティヌスの矢のような直線状のものではなく、環である。これはストア派の循環論のモデルなのだが、よく見れば同じ点へ回帰している。同一の現象が二度生起する、それが無限に繰り返される。これは旧式のモデルの循環論だ。「1980年の12月25日、私は丘の上で隕石に撃たれた犬を見た」これをP1。「2000年の12月25日、私は丘の上で隕石に撃たれた犬を見た」これをP2。Tは「時間」...全文を読む

時間の「蝸牛構造論」のためのエスキス 

† 神秘主義 †


 私は世界の真理について、それをフィオーレのヨアキムのように「形象」で表現することが私に合っていると思う。このページはまだ思考の草稿に留めるが、どうしても表現しておくべきことがある。2001-2008 © copyright atsushi ooka. all rights reserved.これは蝸牛のモデルだが、私にはこれが「時間の構造体」に見える。不可視である時間に形態を賦与するのは神秘主義的な操作に属する。始点が宇宙開闢であり、聖書的に把握...全文を読む

キリスト教神学は、何故「輪廻」の教えを異端として排斥するのか? 

† 神秘主義 †


      by Gerhard Richter 一 「アウグスティヌスの矢」 キリスト教神学では輪廻転生を異端として排斥する、ということに対して僕は疑問を抱く。本当にキリスト教は輪廻をその教義に持っていないのだろうか。 これから僕は、ローマ・カトリック教が、何故「輪廻転生」と相容れないのかということを考察し、なおかつ「輪廻」の持つキリスト教的な意味を探る。  まず、時間論のモデルを考えよう。キリスト教的な時間論と...全文を読む

イスラム教神学とキリスト教神学の構造的カップリングについて 

† 宗教学 †


 「Head of a Warrior ('The Red Head')」             by Leonard da Vinciこのブログを閲覧されている方々のうち、おそらく過半数の方が既にキリスト教神学、ないし現代思想についてはある程度御存知だと思います。前回にも紹介しましたが、ルーマンという社会学者がおりましたよね。彼の思考フレームは、やはり大切だと思うんですね。どこから話を始めるべきか迷いますが、とりあえずイスラム教神学の話から。...全文を読む

ルーマンの宗教論について 

† 宗教学 †


 なぜ、ルーマンか?キリスト教の脱構築が西欧文明で叫ばれている現代世界において、宗教システム理論は有効な視座を齎す。システム理論といっても、それはMITのメディア・ラボの学科長が書いたような、「システム」という意味規定を不明確にしたまま表層的に用いるような論客を対象としているわけではない。我々の対象は、20世紀最高の社会学者の一人である、システム理論に画期的な躍動をもたらした、ニクラス・ルーマンであ...全文を読む

3・11以後の世界観モデルとしての、A・タルコフスキーの可能性 

† 映画 †


 ストーカー [DVD](2002/12/16)アレクサンドル・カイダノフスキー、アナトーリー・ソロニーツィン 他商品詳細を見るA・タルコフスキーの代表作『ストーカー』を観たので感想を残しておく。非常に暗い作品であると同時に、睡眠薬にも等しい効果を持ったニヒリスティックな作品である。ラストの神秘主義的な描写がなければ、本当に「暗い」、「眠い」だけの映画として位置付けられてしまうところであった。この作品は、チェルノブイ...全文を読む

小説 『 ファンタジア 』 

† 小説集 「幻想系」 †


  僕は広い花畑の上で寝転がっていた。蝶が先ほどから頭上で舞っている。昼下がりの、喉かな陽光が限りなく僕を平穏にさせている。僕は手元にある草を指で弄っていた。感触がある。僕は生きている。 この広い草原の中に、そこだけ神聖な場であるかのようにひっそりと花畑が存在していたのだった。この辺りの平原でも、まだ帰還兵の格好をした兵士たちが時々徘徊していることがある。戦争は終わったものの、国土の荒廃と血への渇望...全文を読む

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