【  2012年12月  】 更新履歴 

  12.30.  【 † キリスト教神学 † 】  中世キリスト教社会の諸相   さわりを読む▼
  12.25.  【 † 文学 † 】  ジョヴァンニ・ボッカッチョ『デカメロン』――《ナスタージョ・デリ・オネスティの物語》(5日目8話)   さわりを読む▼
  12.24.  【 † 美学 † 】  宮崎祐助『判断と崇高』読解(3)――ポール・ド・マンの「盲目性」について   さわりを読む▼
  12.20.  【 † メディア論 † 】  西垣通『基礎情報学―生命から社会へ』   さわりを読む▼
  12.19.  【 † 美学 † 】  20世紀芸術(前半)について   さわりを読む▼
  12.18.  【 † ファッション † 】  Favorite Fashion/TOM FORDのシャツ   さわりを読む▼
  12.16.  【 † 建築学 † 】  ジョゼフ・リクワート『<まち>のイデア』にみる、古代都市の創建儀礼   さわりを読む▼
  12.14.  【 † 美学 † 】  近代絵画(19世紀)の諸潮流――新古典主義、ロマン主義、写実主義、印象主義、象徴主義   さわりを読む▼
  12.14.  【 † 美術/アート † 】  洗礼者聖ヨハネの絵画表現−−(3)キリストを指し示す伝統的形式   さわりを読む▼
  12.14.  【 † 美術/アート † 】  洗礼者聖ヨハネの絵画表現−−(2)民衆の前で   さわりを読む▼
  12.14.  【 † 美学 † 】  バロック芸術について   さわりを読む▼
  12.10.  【 † 美術/アート † 】  洗礼者聖ヨハネの絵画表現−−(1)風景の中の人物として   さわりを読む▼
  12.10.  【 † 政治学 † 】  F.A.ハイエク 『自由の条件』 Ⅱ    さわりを読む▼
  12.06.  【 † 映画 † 】  ガス・ヴァン・サント『エレファント』における「パノプティコン」の出口   さわりを読む▼
  12.06.  【 † 映画 † 】  アキ・カウリスマキ『過去のない男』――全ての記憶を喪失した男の「再生」の物語   さわりを読む▼
  12.05.  【 † 音楽 † 】  「衝迫力」の核心   さわりを読む▼
  12.05.  【 † 音楽 † 】  「嵐」が到来する直前の感覚、Dir en Grey礼讃   さわりを読む▼
  12.05.  【 † 文学 † 】  フランツ・カフカ『審判』   さわりを読む▼
  12.04.  【 † 政治学 † 】  今こそハイエクを読み返すーーF.A.ハイエク 『隷属への道』(2)   さわりを読む▼
  12.04.  【 † 政治学 † 】  今こそハイエクを読み返すーーF.A.ハイエク 『隷属への道』(1)   さわりを読む▼
  12.03.  【 † フランツ・カフカ † 】  カフカの『城』の主人にまつわるジェネアロジー   さわりを読む▼
  12.02.  【 † 神秘主義 † 】  J・J・バッハオーフェン『母権論』序論に対するフェミニズム的アプローチ   さわりを読む▼
  12.01.  【 † 文学 † 】  「世界はもう原初には戻らないだろう」--ル・クレジオ『PAWANA』に描かれた海の楽園   さわりを読む▼

◆2012年11月     ◆2012年12月       ◆2013年01月

中世キリスト教社会の諸相 

† キリスト教神学 †


 Leonard da Vinci 《Womans Head 》現代における、中世史を学ぶことの重要性P・ルーセの学説に拠れば、中世人の情動性は、近現代人よりも激し易かったといわれている。いつまでも子供期を脱していない動物的な人間集団としての、中世人。私はここから、中世世界をひとつの「動物の国」として規定する。ここで重要なのは、古代末期よりfigura diaboli(悪魔の形象)として忌み嫌われてきた「猿」のイメージである。中世の一般的キ...全文を読む

ジョヴァンニ・ボッカッチョ『デカメロン』――《ナスタージョ・デリ・オネスティの物語》(5日目8話) 

† 文学 †


 デカメロン(上) (講談社文芸文庫)(1999/05/10)ジョヴァンニ・ボッカッチョ商品詳細を見るヴィーナスを開く―裸体、夢、残酷(2002/07)ジョルジュ ディディ=ユベルマン商品詳細を見るユベルマンの『ヴィーナスを開く』でも考察されているボッティチェルリの衝撃的な連作《ナスタージョ》は、ボッカチオの『デカメロン』にある物語をテーマにした作品である。今回、私は『デカメロン』の《ナスタージョ・デリ・オネスティの物語》(5...全文を読む

宮崎祐助『判断と崇高』読解(3)――ポール・ド・マンの「盲目性」について 

† 美学 †


 Erwin Blumenfeld 例えば、ナザレのイエスはキリスト教神学の見地からすると、冥界に下った三日後に死者のうちから「復活」したとされる。この出来事は聖書にも明記されているが、これは美学的にみて「崇高」であろうか? もしも、キリストの復活を崇高「である」と策定すると、「崇高」概念それ自体が神学の内部において自己閉域化していく可能性がある。それは、例えば画家ゴッホの創作に対する狂的なまでの情熱とか、カントが...全文を読む

西垣通『基礎情報学―生命から社会へ』 

† メディア論 †


 基礎情報学―生命から社会へ西垣 通 (2004/02)NTT出版 この商品の詳細を見る基礎情報学―生命から社会へ ISBN:9784757101203 (4757101201)235p 21cm(A5)NTT出版 (2004-02-25出版)西垣 通【著】[A5 判] NDC分類:007 販売価:\2,625(税込) (本体価:\2,500)本書は情報学についての入門書でも概説書でもない。既存の情報科学や情報工学、メディア論、コミュニケーション論などとは異なる観点から、情報/メディア/コミ...全文を読む

20世紀芸術(前半)について 

† 美学 †


 20世紀芸術(前半) 20世紀初頭から第一次世界大戦までは、フランスでは「ベル・エポック(良き時代)」と呼ばれ、新しさ、青春、近代といった明るいイメージがもてはやされた。ベル・エポックは芸術工芸運動が花開いた時期であり、「アール・ヌーヴォー」、「ユーゲントシュティール」、「モダンスタイル」などと呼ばれた。ウィリアム・モリス中心にイギリスでは「アーツ・アンド・クラフツ」が始まり、世紀末から続く優美なスタ...全文を読む

Favorite Fashion/TOM FORDのシャツ 

† ファッション †


 これは彼女からのプレゼント。基本的にTOM FORDのシャツはアウターなしでも高級感を放つといわれるが、ストライプとはまた別の良さがあるチェック柄。...全文を読む

ジョゼフ・リクワート『<まち>のイデア』にみる、古代都市の創建儀礼 

† 建築学 †


 「まち」のイデア―ローマと古代世界と都市の形の人間学(1991/03)ジョーゼフ リクワート商品詳細を見る建築学の基礎文献のリストに入っているジョゼフ・リクワートの『<まち>のイデア』(1976)の記録を残しておきたい。本書は建築学についての本というより、どちらかというと古代ローマという「土地」の神話的な起源に迫っていく、宗教学的なアプローチを取っている。古代ローマが建設されるその起源を解明することで、人間にと...全文を読む

近代絵画(19世紀)の諸潮流――新古典主義、ロマン主義、写実主義、印象主義、象徴主義 

† 美学 †


 近代絵画(19世紀前半) 一般的に近代の流れはフランスを基準にしてヨーロッパを測るのが定式である。1789年にフランス革命によってバロック、ロココ様式といった宮廷中心の芸術が覆され、「王の死」に伴って王党派が主流を占めていたカトリックの力も弱体化していく――すなわち政治的な次元での「王の死」は、宗教的次元での「神の死」と通底する。最初に、18世紀後半の「近代の黎明」に位置する重要な建築家は以下である。・スフ...全文を読む

洗礼者聖ヨハネの絵画表現−−(3)キリストを指し示す伝統的形式 

† 美術/アート †


 LEONARDO da Vinci St John the Baptist 1513-16BRONZINO, Agnolo St John the Baptist 1550-55.BACICCIO St John the Baptist c. 1676GRÜNEWALD, Matthias The Crucifixion (detail) c. 1515ANGELICO, Fra Linaioli Tabernacle- St John the Baptist c. 1433BERNINI, Pietro St John the Baptist 1612-15FRANCESCO DI GIORGIO MARTINI St John the Baptist 1464...全文を読む

洗礼者聖ヨハネの絵画表現−−(2)民衆の前で 

† 美術/アート †


 ANDREA DEL SARTO The Sermon of John the Baptist 1515BACICCIO The Preaching of St John the Baptist c. 1690ALLORI, Alessandro The Preaching of St John the Baptist 1601-03BRUEGEL, Pieter the Elder The Sermon of St John the Baptist 1566BRUEGEL, Pieter the Elder The Sermon of St John the Baptist 1566(detail)...全文を読む

バロック芸術について 

† 美学 †


 バロック(17世紀) 狭義のバロックを代表する三人の芸術家としては、ボルロミーニ(建築)、ベルニーニ(彫刻)、リューベンス(絵画)が挙げられる。初期バロックの中心はやはりルネサンスと同じくイタリアであり、フランスとネーデルランドでは趣がやや異なっている。17世紀の全ての芸術が含まれるわけではないが、バロックは17世紀特有の美術様式である。時間論的にいえば、それまで「永遠の相」のもとに出来事を認識する価値...全文を読む

洗礼者聖ヨハネの絵画表現−−(1)風景の中の人物として 

† 美術/アート †


 LEONARDO da Vinci St John in the Wilderness (Bacchus) 1510-15LANINO, Bernardino St John the Baptist in the WildernessGEERTGEN tot Sint Jans John the Baptist in the Wilderness 1490-95BOUTS, Dieric the Younger St John the Baptist c. 1470KÖNIG, Johann Wooded River Landscape with St John the Baptist c. 1610GHIRLANDAIO, Domenico St John the Baptist in the Desert 1486-90GRECO, El St. John the Baptist c....全文を読む

F.A.ハイエク 『自由の条件』 Ⅱ  

† 政治学 †


 by Hedi Slimaneハイエクは『自由の条件』17章「社会主義の衰退と福祉国家の興隆」の中で、なぜ社会主義が資本主義よりも決定的に劣っているのかを記している。ここでハイエクの念頭にあるのは、マルクス主義やフェビアン主義、旧ソ連の失敗などである。ハイエクのタイトルにも示されているように、社会主義が衰退しても資本主義国家の内部でこれに遡行するような運動は常に見られるのであって、いわば今日的な価値はこれらのグ...全文を読む

ガス・ヴァン・サント『エレファント』における「パノプティコン」の出口 

† 映画 †


 エレファント デラックス版 [DVD](2004/12/03)ジョン・ロビンソン、アレックス・フロスト 他商品詳細を見る ガス・ヴァン・サント監督がカンヌ国際映画祭でパルムドール、監督賞を受賞した名高い『エレファント』(2003)を観た。私はこの作品を、単純にパッケージから判断して「青春時代の恋愛映画だろうなぁ」などと思っていたのだが、当てが大幅に外れて驚いた。この作品がR−15指定であることも頷ける。そして、私はこの映画を...全文を読む

アキ・カウリスマキ『過去のない男』――全ての記憶を喪失した男の「再生」の物語 

† 映画 †


 過去のない男 [DVD] フィンランドを代表する映画監督アキ・カウリスマキがカンヌ国際映画祭でグランプリに輝いた『過去のない男』(2002)を観た。主人公は記憶喪失の壮年の男性で、「名前」まで自分についての大半の記憶を失っている。流れ着いた先で、川縁のコンテナハウスに暮らしている心優しい家族に助けられる。カウリスマキの映画は、社会的に見ても最下層の人々が必死で健気に生きる姿を瑞々しく描き出す点で一定の評価を...全文を読む

「衝迫力」の核心 

† 音楽 †


 Suicide Silenceの中で、よく聴く曲だ。あらゆる慣習、伝統性を破壊する意志と、錯綜した兇暴さを感じる。だが、それは不快ではなく、「スタイル」として統一されている。判らない者になど教える必要はない、そんな研ぎ澄まされた創作活動の美学をも感じるのである。ちなみに、Suicide Silenceは私の先輩であり、友人が教えてくれたグループの一つ。...全文を読む

「嵐」が到来する直前の感覚、Dir en Grey礼讃 

† 音楽 †


 Dir en Greyの中で、私が最高の自信を持って全てのひとに推せるのが、「Inconvenient Ideal」である。この曲には孤独に満ちた圧倒的なフォースが宿っている。正直、今の私にはこの曲に宿る霊性に匹敵しているのは、ショスタコーヴィチの第八番しか思い付かない。人生を歩む上での「生き辛さ」、「孤独」、「失望」、それら負の感情の一切を燃え上がる霊魂の「覚醒」によって焼き尽くし、聴く者に爆発的な革命を与える傑作が、まさ...全文を読む

フランツ・カフカ『審判』 

† 文学 †


 審判 (岩波文庫)(1966/01)カフカ、Franz Kafka 他商品詳細を見る「神の不在」についてカフカの著作は何度も少しずつ再読しているのだが、今回は大きな発見があった。『審判』の第9章「聖堂」だ。私自身がカトリックだからかもしれないが、極めてショッキングな描写がある。というより、非常に寂しい世界だ。無人に近い教会、忘れられたような聖母マリア像、そして神父さまの説教は、「掟の門」についての講義だ。「掟への門は常に...全文を読む

今こそハイエクを読み返すーーF.A.ハイエク 『隷属への道』(2) 

† 政治学 †


 by Rodolfo Martinezハイエクの名著『隷属への道』を読解する上で、それほど長くは無いが補助的なパンフレットとして役立つのが、同じ新装版ハイエク全集の『政治学論集�―5』の第二部「自由主義とはなにか」である。この「自由主義とはなにか」は、3時間もあれば誰でも読み終えることができるほど、簡潔かつ明晰な『隷属への道』の「まとめ」という役割を担っている。また、『隷属への道』に対する非常に優れた概説とし...全文を読む

今こそハイエクを読み返すーーF.A.ハイエク 『隷属への道』(1) 

† 政治学 †


 Philip Ellis by Damon Baker以下は、ハイエクが1944年に著した『隷属への道』の記録である。まず、これは「学生が読むべき政治学の名著30冊」の輝かしき一冊に入っているので、既に多くの読者が多くのことを書いてきているだろうし、それらは広大なネットの海辺を探せば容易に見出せるだろう。だが、あえて丁寧に読解の記録を、自分で再び残すということには巨大な有効性がある。ハイエクは、本書において以下の三つの概念...全文を読む

カフカの『城』の主人にまつわるジェネアロジー 

† フランツ・カフカ †


 カフカの「城」はどこにあったのか?これは、実は文学の内部で生起しているある神秘主義の系譜に位置している。これについての国内における最も前衛的な作品は、円城塔の『つぎの著者に続く』の本編テクストと、その重要な「註釈」のテクストである。我々はこれまで多用な形式で『城』を読んできたはずだが、ここで一度、改めて問わねばならない原初的な問いに立ち返る。「主人とは誰か?」すなわち、カフカの「城」の城主であり、...全文を読む

J・J・バッハオーフェン『母権論』序論に対するフェミニズム的アプローチ 

† 神秘主義 †


 全ての文明にとって、唯一にして強大な原動力となるものは、宗教において他に無い。女性による予言の方が男性のそれより古く、女性の心の方が宗教に忠実だという点で優れており、その信仰は不動である。      by バッハオーフェンバッハオーフェンに対しては、ポスト・フェミニズムの見地から様々な批判が展開されている。彼は大著『母権論』のアクチュアルな「序論」で、文化がアマゾン→ディオニュソス→デメテル→アポロ...全文を読む

「世界はもう原初には戻らないだろう」--ル・クレジオ『PAWANA』に描かれた海の楽園 

† 文学 †


 パワナ くじらの失楽園(1995/05/26)ル・クレジオ商品詳細を見る最近の私は、ル・クレジオの作品が持っている「海」や「大地」、都会的風景から連れ去ってくれるような世界に惹かれ続けています。この作品は40分もあれば読了してしまうほどの短編小説ですが、非常に優れた作品でした。是非このページで紹介したいのが、メスの鯨たちが何千と集まり、海の秘密の聖域で出産するという伝承です。これは実際に作中で登場し、冒頭で神...全文を読む

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