【  2013年06月  】 更新履歴 

  06.26.  【 † 美術/アート † 】  「アダムとイヴ」の図像集ーーパオロ・ウッチェロにおけるイヴの顔の問題について   さわりを読む▼
  06.26.  【 † キリスト教神学 † 】  バロック時代最高の神学者マルブランシュの再評価ーーフェルディナン・アルキエ『マルブランシュとキリスト教的合理主義』読解   さわりを読む▼
  06.26.  【 † 神秘主義 † 】  「霊は鉱物、植物、動物にも宿る」という見解についてーーニコラ・カミーユ・フラマリオンの霊魂論の再評価   さわりを読む▼
  06.25.  【 † 神秘主義 † 】  東ヨーロッパに広範囲に見られた「水死」の伝承についてーー民間説話研究の第一人者、ロルフ・W・ブレードニヒ『運命の女神』   さわりを読む▼
  06.25.  【 † 文学 † 】  マルセル・シュウォッブにおける「仮面」の問題ーー『少年十字軍』読解   さわりを読む▼
  06.25.  【 † 神秘主義 † 】  ノルウェー民話に登場する「何でも食べ尽くす怪猫」と、「トロール」について   さわりを読む▼
  06.22.  【 † 文芸理論 † 】  ジョルジョ・アガンベン『裸性』所収「創造と救済」――「自らの内に批評の要請を持たないような芸術あるいは詩の仕事=作品は、忘却を運命付けられているのである」   さわりを読む▼
  06.15.  【 † 文芸理論 † 】  アントワーヌ・コンパニョン『文学をめぐる理論と常識』   さわりを読む▼
  06.10.  【 † 政治学 † 】  イアン・シャピロの競争的民主主義理論の有効性について(1)   さわりを読む▼
  06.06.  【 † 文学 † 】  ウィリアム・トレヴァーの短編小説に見る、現代の神父たちの孤独   さわりを読む▼
  06.06.  【 † 美術/アート † 】  ゴットフリート・ヘルンヴァインの「美しい傷口」について   さわりを読む▼
  06.06.  【 † 文学 † 】  80年代アメリカのニューエイジ運動における、カルト的記念碑としての『The Mist』   さわりを読む▼
  06.06.  【 † 美学 † 】  宮崎祐助『判断と崇高』読解(1)――「崇高」の臨界点としての「吐き気」   さわりを読む▼
  06.06.  【 † ホルヘ・ルイス・ボルヘス † 】  ボルヘスの処女詩集『ブエノスアイレスの熱狂』の魅力   さわりを読む▼
  06.02.  【 † 美学 † 】  画家ルネ・マグリットの秘められた少年時代についてーー谷川渥『表象の迷宮』(2)   さわりを読む▼
  06.01.  【 † 映画 † 】  『ソーシャル・ネットワーク』と、J.A.シュンペーターのCreative Destruction    さわりを読む▼
  06.01.  【 † 文学 † 】  作家の影響を受けることについてーー大江健三郎の若年作家への影響力を考察する   さわりを読む▼

◆2013年05月     ◆2013年06月       ◆2013年07月

「アダムとイヴ」の図像集ーーパオロ・ウッチェロにおけるイヴの顔の問題について 

† 美術/アート †


 UCCELLO Paolo  Creation of Eve and Original Sin (detail)  パオロ・ウッチェロの《イヴの創造と原罪》における「イヴの顔貌」について記録を残しておく。 左側のアダムと右側のイヴの中間には蛇がいるが、この顔は女性の頭部として描かれている。全体的に擦れているものの、アダムの顔が明瞭に判るのに対し、イヴの顔はほとんど不鮮明なほどに劣化し、希薄化している。しかし、奇妙なことに蛇が有する女性の顔はアダム以上...全文を読む

バロック時代最高の神学者マルブランシュの再評価ーーフェルディナン・アルキエ『マルブランシュとキリスト教的合理主義』読解 

† キリスト教神学 †


 by Stefan Lochner 長くソルボンヌ大学で哲学を教えていたフェルディナン・アルキエのマルブランシュ論を読んだので、その記録を残す。ニコラ・マルブランシュ(1638-1715)はバロック時代(ライプニッツと同時代、ポスト・デカルト期)のフランスを代表する神学者であり、私がフィオーレのヨアキムやビンゲンのヒルデガルト、幼きイエスの聖テレーズと並んで特に好きな人物でもある。マルブランシュは十六歳まで虚弱体質であり...全文を読む

「霊は鉱物、植物、動物にも宿る」という見解についてーーニコラ・カミーユ・フラマリオンの霊魂論の再評価 

† 神秘主義 †


 フランスの近代スピリチュアリズムを捉える上で、カルデックやユゴーと並んで重要なニコラ・カミーユ・フラマリオンの転生論は特筆に価する。このページでは、輪廻をポジティブなサイクルとして捉えるヨーロッパ的な神秘主義と、それを迷妄としてネガティブに把握し、積極的に解脱への道を説く古代インド思想を比較的に分析する。フラマリオンは、イタリア人女性霊媒師エウサピア・パラディーノを対象にして1907年に『未知なる自然...全文を読む

東ヨーロッパに広範囲に見られた「水死」の伝承についてーー民間説話研究の第一人者、ロルフ・W・ブレードニヒ『運命の女神』 

† 神秘主義 †


 運命の女神(2005/06/01)ロルフ・W・ブレードニヒ商品詳細を見るヨーロッパにおける民間説話研究の第一人者であるロルフ・W・ブレードニヒの『運命の女神』に、私の境遇と接近した説話群を発見し、非常に愕いた。これはどれも東ヨーロッパに、キリスト教の影響を全く受けずに独自に形成され、広範囲の地域で共通して見られる説話である。「ある女に、一人の子が生まれた。その女のところに親切な隣人がやってきた。“貴女の子は、し...全文を読む

マルセル・シュウォッブにおける「仮面」の問題ーー『少年十字軍』読解 

† 文学 †


 少年十字軍 (海外ライブラリー)(1998/07)マルセル シュウォッブ商品詳細を見る「黄金仮面の王」と「大地炎上」非常に優れた作品で、私の中でとても大切な作品になった。まず、一つ目の「黄金仮面の王」だが、これは作者がラビを輩出した家系「ユダヤ系」であることを鑑みると、極めて象徴的で謎めいた作品に仕上がっている。「顔」が隠されているのだ。王は自分の顔を隠し、「仮面」を被ることを王宮の人間たちに強いている。「顔...全文を読む

ノルウェー民話に登場する「何でも食べ尽くす怪猫」と、「トロール」について 

† 神秘主義 †


 ノルウェーの民話(1999/05)ペーター・クリステン アスビョルンセンヨーレン モー商品詳細を見る何でも食べ尽くす怪猫と、トロールについてノルウェーの民話に、一つか二つ特に印象的だった要素がある。まず、一つ目はトロールという存在者だ。トロールは巨大で、目が一つしかなかったりする、少し頭の悪い悪魔のような存在者だ。彼らの口癖が、実は衝撃的である。「うわっ!うわっ!キリスト教徒の臭いがするぞっ!」というものだ...全文を読む

ジョルジョ・アガンベン『裸性』所収「創造と救済」――「自らの内に批評の要請を持たないような芸術あるいは詩の仕事=作品は、忘却を運命付けられているのである」 

† 文芸理論 †


 Photo by Andrea Tomas Prato預言者と天使の差異とは何だろうか?前者は終末における救済のための仲介者であり、後者は世界創造の代行者である。イスラム教の伝統では、創造よりも「救済」の方が序列的に上位にある。すなわち、預言者の役割の方が天使よりも高いとみなされている。これを定式化して、「救済は創造に先立つ」(主は救済のために世界を創造したのであって、創造によって付属的に救済が生起したのではない)と換言す...全文を読む

アントワーヌ・コンパニョン『文学をめぐる理論と常識』 

† 文芸理論 †


 文学をめぐる理論と常識(2007/11/27)アントワーヌ コンパニョン商品詳細を見る コレージュ・ド・フランスで文学理論を教えるアントワーヌ・コンパニョンは、文学だけでなく芸術を楽しみ、また加担しようとする全ての読者にとって重要な理論家である。このページでは、彼の「文体」論と、「作者」論の二つについて記録しておく。(同じ著者のボルヘス論についてのページはこちら)【「文体」について】 アリストテレスは『弁論術...全文を読む

イアン・シャピロの競争的民主主義理論の有効性について(1) 

† 政治学 †


 by Antonio López García現代の民主主義論を学ぶ上で必読書だといわれているイアン・シャピロ(Ian Shapiro 1956-)の『民主主義理論の現在(The State of Democratic Theory)』を読了したので、このページではシャピロのいう「競争」の重要性についてメモしておく。まず、ここで非常に重要な前提として浮上するのは、ルソーの「一般意志」をシャピロが失効させている点である。彼は目に見えない共通善を追い求め...全文を読む

ウィリアム・トレヴァーの短編小説に見る、現代の神父たちの孤独 

† 文学 †


 密会 (新潮クレスト・ブックス)(2008/03)ウィリアム トレヴァー商品詳細を見る英語圏最高の短編作家といわれるウィリアム・トレヴァーの「ジャスティーナの神父」(『密会』所収)を読んだ。トレヴァーはプロテスタントのイングランド系アイルランド人で、本作で登場するクロヘシー神父は現代の司祭職に与る人々の「メランコリア」を象徴した人物である。アイルランドは国民の大多数がカトリックであり、本文でも「神父」とあるの...全文を読む

ゴットフリート・ヘルンヴァインの「美しい傷口」について 

† 美術/アート †


 ヘルンヴァインの作品に最近注目している。彼の作品群を見ていて感じるのは、傷だ。非常に傷付き易い少年や少女がモデルになっていて、彼らは自殺寸前だったり自殺した直後であったりする。だがそこには不思議な美が伴っていて、洗練されている。私はこの作品が最も解釈を要すると考える。この幼女は、よく見ると左顔半分に相当な傷を負っているのが判るであろう。おそらく顔半分が麻痺しているだけでなく、両手の指も切断されてい...全文を読む

80年代アメリカのニューエイジ運動における、カルト的記念碑としての『The Mist』 

† 文学 †


 スケルトン・クルー〈1〉骸骨乗組員 (扶桑社ミステリー)(1988/05)スティーヴン キング商品詳細を見るスティーヴン・キングの有名な『The Mist(霧)』(1980)は、海外で高い評価を受けたホラーゲーム『Silent Hill』に影響を与えたり、映画化されたりするなど現代でも話題性の高い謎めいた娯楽小説である。このページでは、この作品が持つ黙示録的な意味に迫ってみよう。何故、そもそも「霧」であるのかについて、作中でこの設定...全文を読む

宮崎祐助『判断と崇高』読解(1)――「崇高」の臨界点としての「吐き気」 

† 美学 †


 Witkin Joel-Peter【吐き気とは何か?】 「吐き気」(ドイツ語:Ekel、英語:disgust)ーーそれは、カントの『人間学』によれば「ひとつの強烈な生命感覚」であり、危機の経験、感性的な否認であるがゆえに、優れて審美的な経験として位置付けられる。この概念を考える上で、イヴ=アラン・ボワとロザリンド・E・クラウスのカタログ『アンフォルム』では、バタイユのinforme(不定形)の概念が解釈されている。informeについて、...全文を読む

ボルヘスの処女詩集『ブエノスアイレスの熱狂』の魅力 

† ホルヘ・ルイス・ボルヘス †


 ボルヘス詩集 (海外詩文庫)ボルヘス (1998/12)思潮社 この商品の詳細を見る海外詩文庫 ボルヘス詩集 ISBN:9784783725121 (4783725128)189p 19cm思潮社 (1998-12-01出版)ボルヘス【著】〈Borges,J.L.〉・鼓 直【訳編】[B6 判] NDC分類:961 販売価:\1,223(税込) (本体価:\1,165)第一次世界大戦前後のジュネーブやマドリードで前衛主義の洗礼を受けた後、「宿命」のブエノスアイレスに帰還したボルヘスは、斬新...全文を読む

画家ルネ・マグリットの秘められた少年時代についてーー谷川渥『表象の迷宮』(2) 

† 美学 †


 新編 表象の迷宮―マニエリスムからモダニズムへ○ 4章「時間嫌悪者の彼岸―ルネ・マグリット」本章は谷川のマグリット論であり、画家の少年時代の衝撃的なエピソードも踏まえた上で解釈した魅力的な論考である。マグリットは自分のスタイルを摸索している時期にキリコを観て、「いかに描くか」ではなく「何を描くか」が大切だと悟った。彼が「衝撃的効果の系統的探究」へと向かうのはそれ以後である。その最初の作品が1926年の《迷...全文を読む

『ソーシャル・ネットワーク』と、J.A.シュンペーターのCreative Destruction  

† 映画 †


 ソーシャル・ネットワーク 【デラックス・コレクターズ・エディション】(2枚組) [DVD](2011/05/25)ジェシー・アイゼンバーグ、アンドリュー・ガーフィールド 他商品詳細を見る   この映画は彼女と映画館で観て、その後DVDでも二度は観ているほどお気に入りの作品です。ずっとこの映画の一体どこに惹かれるのかと考えていたのですが、最近になってふっと直観しました。この映画のサウンドが、作品の流れと非常に巧く噛み合って...全文を読む

作家の影響を受けることについてーー大江健三郎の若年作家への影響力を考察する 

† 文学 †


 ここで我々が考察しておきたいのは、大江健三郎の文学「界」内における貴族性の問題である。彼は周知の通り、東大在学中に「奇妙な仕事」(実はそれ以前に「火山」があるのだが)でデビューし、「飼育」で純文学において最も権威的かつ正統的な「芥川賞」を受賞した。以後、純文学の重要な賞を数々受賞し、川端康成に次いで二人目の「ノーベル文学賞」に輝いた――ブルデューが見ても、大江は間違いなく第一級の「文化人」であり、「...全文を読む

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