【  2013年07月  】 更新履歴 

  07.31.  【 † 政治学 † 】  今こそハイエクを読み返すーーF.A.ハイエク『法と立法と自由』(1)   さわりを読む▼
  07.31.  【 † 政治学 † 】  スラヴォイ・ジジェク 『ポストモダンの共産主義 ―はじめは悲劇として、二度めは笑劇として ―』   さわりを読む▼
  07.29.  【 † 美術/アート † 】  注目した現代写真家たち――シャーロット・コットン『現代写真論』   さわりを読む▼
  07.28.  【 † 映画 † 】  「止めどなく続く会話」のエレガンスーー『ビフォア・サンセット』と『トスカーナの贋作』   さわりを読む▼
  07.25.  【 † 存在論 † 】  ハイデッガーの空間論『建てる 住む 思考する』について   さわりを読む▼
  07.20.  【 † 美学 † 】  エドマンド・バーク『崇高と美の観念の起源』 (4)   さわりを読む▼
  07.18.  【 † 美術/アート † 】  ジョルジョ・デ・キリコの描いた「影」の謎――谷川渥とストイキツァのキリコ論から   さわりを読む▼
  07.18.  【 † 映画 † 】  「禁断の愛」が織り成す多層的な物語のネットワーク――ラウル・ルイス『ミステリーズ 運命のリスボン』   さわりを読む▼
  07.18.  【 † 映画 † 】  『ファイトクラブ』と闘争への意志、「私は人間ではない。私はダイナマイトだ」   さわりを読む▼
  07.13.  【 † 美学 † 】  パラゴニア荘(Villa Palagonia)における怪物の形象について――谷川渥『肉体の迷宮』第六章「変身と怪物」読解   さわりを読む▼
  07.11.  【 † 美術/アート † 】  ルイス・ウェインの、「猫」の生成変化のプロセス   さわりを読む▼
  07.10.  【 † 映画 † 】  オーソン・ウェルズの『第三の男』――Mr.Nobody氏の系譜   さわりを読む▼
  07.10.  【 † 映画 † 】  ベルナルド・ベルトルッチ『暗殺の森』――ベルトルッチとヴィスコンティの根本的な違い   さわりを読む▼
  07.03.  【 † 文芸理論 † 】  前田彰一『物語のナラトロジー』   さわりを読む▼
  07.01.  【 † 美術/アート † 】  ジョージ・トゥッカー(George Tooker)の世界    さわりを読む▼
  07.01.  【 † 美術/アート † 】  アデルキ=リッカルド・モントヴァーニ(Adelchi Riccardo Mantovani)の世界   さわりを読む▼

◆2013年06月     ◆2013年07月       ◆2013年08月

今こそハイエクを読み返すーーF.A.ハイエク『法と立法と自由』(1) 

† 政治学 †


 Philip Ellis by Damon Baker資本主義とは、市場の競争ゲームの場である。ハイエクの言葉を借りれば、これはすなわち市場をその自生的な秩序であるカタラクシーによって作動させるということである。ハイエクは「競争ゲーム」の重要性について、以下のように記している。「全てのゲームと同様に、それは目的と能力と知識を異にする個々の参加者の行為の手引きとなるルールに従って進行し、それ故に結果を予想することは不可能で、...全文を読む

スラヴォイ・ジジェク 『ポストモダンの共産主義 ―はじめは悲劇として、二度めは笑劇として ―』 

† 政治学 †


 「Slavoj Žižek」コミュニズムの死は、1989年11月9日のベルリンの壁崩壊によって決定的になった、と「いわれている」。だが、それは一般的に「いわれている」だけであって、現代思想上ではマルクスはまだ健康体である。それどころか、マルクスはハムレットの父のような「亡霊」と化して、現代資本主義社会の知識人たちに「憑依」し続けている。本書でジジェクは、デリダの『マルクスの亡霊たち』とほぼ同じメッセージを...全文を読む

注目した現代写真家たち――シャーロット・コットン『現代写真論』 

† 美術/アート †


 現代写真論(2010/05/14)シャーロット・コットン商品詳細を見るシャーロット・コットン(イギリス国立メディア博物館クリエイティブディレクター)による『現代写真論』は、けして報道写真には納まりきらない現代を活躍する重要な写真家の作品を集めた、網羅的なカタログである。「写真」について関心がある読者には、非常に有益で役立つ資料である。信じ難い人数の写真家たちの作品が掲載されている「見る本」だが、その中でも私が...全文を読む

「止めどなく続く会話」のエレガンスーー『ビフォア・サンセット』と『トスカーナの贋作』 

† 映画 †


 ビフォア・サンセット [DVD](2010/04/21)イーサン・ホーク、ジュリー・デルピー 他商品詳細を見る リチャード・リンクレイターの『ビフォア・サンセット』(2004)を観た。 この作品は映画の「文法」として非常に秀逸な構成で、人物の会話は止めどなく連続している。いわば会話が流動体のように、場面転換なく接続されている。俳優はこうした方法論の場合、演技しているのか本当に撮影中に再会を果たして「生身の会話」に耽って...全文を読む

ハイデッガーの空間論『建てる 住む 思考する』について 

† 存在論 †


 ハイデガー (KAWADE道の手帖)(2009/03/10)不明商品詳細を見る以下は、マルティン・ハイデッガーが1951年に行った「人間と空間」についての名高い講演の記録『建てる 住む 思考する』の記録である。○ 人間の支配者としての「言語」「人間はあたかも言語の形成者であり師匠であるかのように振舞っているが、実は言語のほうが人間の女主人であり続けているのである。恐らく他の何にもまして、人間によって営まれているこの支配関係...全文を読む

エドマンド・バーク『崇高と美の観念の起源』 (4) 

† 美学 †


 by Hedi Slimaneエドマンド・バークの『崇高と美の観念の起源』は、18世紀の美学理論において多大な影響を与えた比類なき古典的名著である。本書が注目されたのは第一に、美という現象についてのその徹底的な主観的心理的な分析の方法であり、第二には伝統的な古典主義美学(ルネサンス)が従来規範としていた「秩序・均整」に対抗して、この原理の枠組みを越えた芸術的感動を「崇高」として定式化した点にある。更にバークの衝撃...全文を読む

ジョルジョ・デ・キリコの描いた「影」の謎――谷川渥とストイキツァのキリコ論から 

† 美術/アート †


 ジョルジョ・デ・キリコ《街路の憂愁と神秘》(1914)「現在、過去、未来のあらゆる宗教よりも、太陽の下を歩く人間の影の方が多くの謎に包まれている」ジョルジョ・デ・キリコ【無人の風景の中の影について】 ジョルジョ・デ・キリコの初期の作風について、日本を代表する美学者の一人である谷川渥は『表象の迷宮』十一章「無人の図像学」の中で以下のように述べている。「ベルクソン的にいえば、この《見捨てられた町》の空虚は...全文を読む

「禁断の愛」が織り成す多層的な物語のネットワーク――ラウル・ルイス『ミステリーズ 運命のリスボン』 

† 映画 †


 ミステリーズ 運命のリスボン [DVD](2013/05/02)Kss商品詳細を見る ラウル・ルイス(Raúl Ruiz, 1941年7月25日 - 2011年8月19日)監督といえば、プルーストの『失われた時を求めて』の「見出された時」を映画化したチリ出身の映画監督として日本でも知られているが、今回彼の最後の作品となった『ミステリーズ 運命のリスボン』(2010年公開、監督は2011年に70歳で逝去)を観た。 映画としては長大な作品で、出演者やエピソード...全文を読む

『ファイトクラブ』と闘争への意志、「私は人間ではない。私はダイナマイトだ」 

† 映画 †


 ファイト・クラブ [Blu-ray](2009/11/27)エドワード・ノートン、ブラッド・ピット 他商品詳細を見る「生きている実感」を取り戻すためにはどうすれば良いのだろうか? この大きなテーマに真正面から挑戦した魅力的な作品の一つが、D.フィンチャーの『ファイトクラブ』(1999)であることに異論を唱える人は存在しないだろう。主人公(エドワード・ノートン)は自動車のリコール査定をしている、エリートではあるが冴えない退屈な...全文を読む

パラゴニア荘(Villa Palagonia)における怪物の形象について――谷川渥『肉体の迷宮』第六章「変身と怪物」読解 

† 美学 †


 【宮廷の鑑賞物としての「怪物」】 ルネサンスの絵画で「病者の夢/怪奇なるもの」がレオナルドによって肯定され、賞賛されたことで、マニエリスムではfantasia(幻想)が画題となる。つまり、「ファンタジーア(幻想)」、「カプリッチョ(奇想)」というジャンルの成立である。マニエリスムの芸術に多大な貢献を果たした神聖ローマ皇帝、ハプスブルク家のルドルフ2世は、政治的には無能であったが、この世界に存在するありとあ...全文を読む

ルイス・ウェインの、「猫」の生成変化のプロセス 

† 美術/アート †


 この記事では、ルイス・ウェインの猫と、「最後の神」について私なりの思考を展開する。ルイス・ウェイン(Louis Wain 1860 - 1939)は、可愛らしい猫を描くことを愛していたイギリスの有名なイラストレーターである。この画家が「最後の神」から非常に愛されていたことは彼の作品の後期形式を目にすると一目瞭然である。猫は極めて具象的であり、明敏かつ明晰である。猫の瞳は、限りなく「ローマ・カトリック教会」的な伝統性と...全文を読む

オーソン・ウェルズの『第三の男』――Mr.Nobody氏の系譜 

† 映画 †


 第三の男 [DVD](2012/04/13)オーソン・ウェルズ、ジョセフ・コットン 他商品詳細を見るキャロル・リード監督、オーソン・ウェルズ出演の有名なイギリス映画『第三の男』(1949)を観た。舞台はウィーンで、主人公のホリー・マーチンは作家である。彼は友人ハリー(オーソン・ウェルズ)の死因を探っている。ホリーがハリーの家を尋ねた時、既に事故死したとされていたが、ホリーは何か不審を抱く。そしてミステリーの常道に沿う形...全文を読む

ベルナルド・ベルトルッチ『暗殺の森』――ベルトルッチとヴィスコンティの根本的な違い 

† 映画 †


 暗殺の森 [DVD](2012/06/23)ジャン=ルイ・トランティニャン、ステファニア・サンドレッリ 他商品詳細を見るベルナルド・ベルトルッチ監督の『暗殺の森』(1970)を観た。原作はアルベルト・モラヴィアの小説『孤独な青年』で、本作によりベルトルッチは全米映画批評家協会賞を受賞した。主人公のイタリア人イタロ・クレリチは没落の予兆漂う貴族階級(あるいはブルジョワ階級)の男性で、十三歳の時に運転手の男から男色を受けたこ...全文を読む

前田彰一『物語のナラトロジー』 

† 文芸理論 †


 アングル 《パオロとフランチェスカ》 ナラトロジー(物語論)の基礎文献である『物語のナラトロジー』(前田彰一)の理論篇である一章「詩的言語と文学表現」と二章「<語り>の現象学」を読了したのでそのレジュメを残す。【一章「詩的言語と文学表現」】言語学者S.I.ハヤカワは言語の機能を以下のように原理的に二大別している。(1) informative function (情報伝達機能)(2) affective function(感化的機能)(1) は...全文を読む

ジョージ・トゥッカー(George Tooker)の世界  

† 美術/アート †


 街に固有名は必要なのだろうか。全ての街はどこかで似通っている。そしてどの街もどこか抽象的で他の街と交換可能な場所を持っている。僕らが出会ったこの街では、過去に僕らによく似た別の誰かが同じような出会いを体験していた。数年後にまた、僕らによく似た別の誰かが同じ街で似たような出会いを体験するのではないだろうか。そしてその時、全ての僕らは同一の存在であると考えることが不自然といえるであろうか。僕が大通りを...全文を読む

アデルキ=リッカルド・モントヴァーニ(Adelchi Riccardo Mantovani)の世界 

† 美術/アート †


 この二人組みには、あなたも注意した方が身のためだ。つまるところ、彼女たちは「不安」を齎す双子の神なのである。宗教の本質が、けしてイコノロジーによってのみ開示されたわけではない。真理は常にパズルピースのように散在する性質を持つ。現代のシャーマンもまた、空を飛びながら夢を見るらしい。...全文を読む

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