【  2013年09月  】 更新履歴 

  09.26.  【 † オペラ † 】  「死はこの上なく善きものなのだ、 もし私があの人のために死ぬことが許されるなら」/ヴェルディ《アイーダ》の鑑賞記録――ミラノ・スカラ座管弦楽団、グスターボ・ドゥダメル指揮(大阪フェスティバルホール)   さわりを読む▼
  09.25.  【 † ヨーロッパ庭園学 † 】  世界最初の薔薇園《マルメゾン宮》の香りーーナポレオンの前妃ジョゼフィーヌ・ド・ボアルネについて   さわりを読む▼
  09.20.  【 † 映画 † 】  モノクロームの恋愛映画の美しさ――マックス・オフュルス『輪舞』   さわりを読む▼
  09.15.  【 † 映画 † 】  「目が開かれている」とはいかなることか?ーークリント・イーストウッド『ヒアアフター』   さわりを読む▼
  09.15.  【 † 映画 † 】  天使の「失墜」にまつわる新しい学説としての「人間への恋」――ヴィム・ヴェンダースの『ベルリン・天使の詩』   さわりを読む▼
  09.14.  【 † 文学 † 】  「クリスティアン、愛は暖かくて豊かな波のようです」ーー現代ドイツ文学の作家、ジークフリート・レンツの恋愛小説『黙祷の時間』を読む   さわりを読む▼
  09.14.  【 † 文学 † 】  静謐な海辺の聖なる愛ーー古代ギリシアの恋愛物語、ムーサイオス『ヘーローとレアンドロス』の魅力   さわりを読む▼
  09.12.  【 † 文学 † 】  ガブリエル・ガルシア=マルケス『愛その他の悪霊』ーー信仰を越えた究極の純愛   さわりを読む▼
  09.11.  【 † 政治学 † 】  政治学の必読書の一冊、K.R.ポパー『歴史主義の貧困』を読解する    さわりを読む▼
  09.09.  【 † 小説集 「幻想系」 † 】  小説 『 コーラの書 』   さわりを読む▼
  09.09.  【 † 小説集 「幻想系」 † 】  小説 『 洗礼者聖ヨハネの最期 』    さわりを読む▼
  09.09.  【 † 小説集 「純文学系」 †  】  小説 『海辺の余白』   さわりを読む▼
  09.09.  【 † 小説集 「幻想系」 † 】  小説 『 催眠術師 』   さわりを読む▼
  09.09.  【 † 小説集 「幻想系」 † 】  小説 『 深海の受精卵 』   さわりを読む▼
  09.09.  【 † 小説集 「純文学系」 †  】  創作仲間の月子さんの短編小説 『 海の見えるホテルと彼女の黒い瞳 』   さわりを読む▼
  09.09.  【 † 小説集 「幻想系」 † 】  小説 『 魔の手紙 』   さわりを読む▼
  09.08.  【 † 小説集 「幻想系」 † 】  小説 『 ウロボロスの塔 』   さわりを読む▼
  09.06.  【 † 映画 † 】  行方不明になった少女が眼の前にいるにも関わらず……ルイス・ブニュエル『自由の幻想』の奇怪な世界   さわりを読む▼
  09.05.  【 † ホルヘ・ルイス・ボルヘス † 】  アントワーヌ・コンパニョンのホルヘ・ルイス・ボルヘス論――「神学者」と「ピエール・メナール」について   さわりを読む▼
  09.04.  【 † 文学 † 】  ルウルウにおけるピュアな恋愛観について――マリー・アントワネット・ドゥ・ミラボー=マルテル伯爵夫人『マドゥモァゼル・ルウルウ』   さわりを読む▼
  09.01.  【 † ポール・ド・マン † 】  ポール・ド・マンのpara-figural dimensions(パラ−フィギュラルな次元)について   さわりを読む▼
  09.01.  【 † 文学 † 】  G・ガルシア=マルケス『わが悲しき娼婦たちの思い出』   さわりを読む▼

◆2013年08月     ◆2013年09月       ◆2013年10月

「死はこの上なく善きものなのだ、 もし私があの人のために死ぬことが許されるなら」/ヴェルディ《アイーダ》の鑑賞記録――ミラノ・スカラ座管弦楽団、グスターボ・ドゥダメル指揮(大阪フェスティバルホール) 

† オペラ †


  大阪フェスティバルホールでミラノ・スカラ座管弦楽団、グスターボ・ドゥダメル指揮によるヴェルディの《アイーダ》を鑑賞したので、その記録を残しておこう。まだ鑑賞されていない方が読んでも筋書きや見所がわかるように、できるだけ工夫してまとめることにしたい。【グスターボ・ドゥダメルの指揮の魅力】 《アイーダ》の「凱旋行進曲」(第二幕第二場)を指揮するドゥダメル――その姿は、まさに軍隊を統率する軍神マルスのそ...全文を読む

世界最初の薔薇園《マルメゾン宮》の香りーーナポレオンの前妃ジョゼフィーヌ・ド・ボアルネについて 

† ヨーロッパ庭園学 †


 by Pierre-Joseph Redoute前回はファンタン=ラトゥールの薔薇を少しだけ紹介しました。今回はルドゥテの薔薇を紹介してみます。ラトゥールは集団肖像画も描いておりますが、ルドゥテは純粋なボタニカルアーティストです。彼はナポレオンの前妃である名高いジョゼフィーヌが運営していた世界最大級の薔薇園で絵師をしておりました。ジョゼフィーヌもルドゥテも薔薇が大好きでした。ルドゥテは若い頃から植物の絵において突出し...全文を読む

モノクロームの恋愛映画の美しさ――マックス・オフュルス『輪舞』 

† 映画 †


 La Ronde [VHS] [Import](2000/06/13)Anton Walbrook、Simone Signoret 他商品詳細を見る マックス・オフュルス監督の『輪舞』(1950)は、1900年のオーストリアを舞台にした恋愛オムニバス形式の短編集である。本作の見所は、やはり『赤い靴』でバレエへの情熱に取り憑かれたレルモントフを好演したアントン・ウォルブルックの奇妙な役柄にあるだろう。彼はそれぞれの散りばめられたエピソードに登場する男女たちを結び付ける「...全文を読む

「目が開かれている」とはいかなることか?ーークリント・イーストウッド『ヒアアフター』 

† 映画 †


 ヒア アフター ブルーレイ&DVDセット(2枚組)【初回限定生産】 [Blu-ray](2011/10/05)マット・デイモン、セシル・ド・フランス 他商品詳細を見るこれは3・11や、昨今のスピリチュアリズムの高まりといったテーマと深く関与している作品だった。主人公が自分の能力が世に広まることを忌避する孤独な霊能者(マット・デイモン)だという設定も、かなり興味を湧かせる点だ。彼はディケンズが好きで、眠る前によくその朗読テー...全文を読む

天使の「失墜」にまつわる新しい学説としての「人間への恋」――ヴィム・ヴェンダースの『ベルリン・天使の詩』 

† 映画 †


 ベルリン・天使の詩 デジタルニューマスター版 [DVD](2006/04/21)ブルーノ・ガンツ、ソルヴェイグ・ドマルタン 他商品詳細を見る天使をめぐる様々なキリスト教的論議については、現代イタリアを代表する哲学者の一人マッシモ・カッチャーリの『必要なる天使』において言及したが、ここで今、我々は改めて以下のような問いを発する必要があるのだろうか? すなわち、「天使は存在するのか?」と。然り、とカトリックである私は答え...全文を読む

「クリスティアン、愛は暖かくて豊かな波のようです」ーー現代ドイツ文学の作家、ジークフリート・レンツの恋愛小説『黙祷の時間』を読む 

† 文学 †


 黙祷の時間 (新潮クレスト・ブックス)(2010/08/31)ジークフリート・レンツ商品詳細を見る 現代ドイツ文学を代表する作家の一人、ジークフリート・レンツの『黙祷の時間』(2008)という恋愛小説を読みました。舞台は1970年代から80年代のドイツの「海辺の街」で、主人公の少年クリスティアンの父は海底での採掘業を営んでいます。彼も父親の仕事を手伝ったり、学校では学級委員長を務めるなど、真面目な印象を与える少年です。年...全文を読む

静謐な海辺の聖なる愛ーー古代ギリシアの恋愛物語、ムーサイオス『ヘーローとレアンドロス』の魅力 

† 文学 †


 ギリシア恋愛小曲集 (岩波文庫)(2004/08)中務 哲郎商品詳細を見るアビュドスの街に、レアンドロスという青年がいた。海を隔てたセストスの街には、ヘーローという女性がいた。この物語は、海を隔てて遠ざかる二人が、いわば遠距離恋愛を越えてその愛を育む恋愛劇である。ヘーローという女性は、そのあまりの美貌に多くの青年が狂うほどの絶世の美女。ただ、ヘーローは極めて内気で物静かであり、侍女と海辺の塔で二人だけで静かに...全文を読む

ガブリエル・ガルシア=マルケス『愛その他の悪霊』ーー信仰を越えた究極の純愛 

† 文学 †


 by Gustav Klimtあらすじ18世紀半ば、スペイン王国領だったコロンビアの、城壁に囲まれた町で。狂犬に咬まれた侯爵の一人娘に、悪魔憑きの徴候が。有為の青年神父が悪魔祓いの命を受ける。激しく対峙した二人は、やがて激しく惹かれ合い……。大作『コレラの時代の愛』と近作『わが悲しき娼婦たちの思い出』の架け橋とも言うべき、うるわしき哀歌。『愛その他の悪霊について』を読み終わった。書きたい言葉が巧くまとまるまで、感...全文を読む

政治学の必読書の一冊、K.R.ポパー『歴史主義の貧困』を読解する  

† 政治学 †


 Arthur Sales by Milan Vukmirovic K.R.ポパーは『歴史主義の貧困』(1957)の中で、現代の我々にも活きる極めて重要なメッセージを放っている。ポパーが本書で批判対象にしているのは、Historicism(歴史主義)である。歴史主義とは何だろうか?説明を明晰にするために先に定義を述べれば、歴史主義とは、「合理的もしくは科学的な方法によって、我々の科学的知識が将来どのように成長するかを予測し得ると考える思考」に他ならな...全文を読む

小説 『 コーラの書 』 

† 小説集 「幻想系」 †


 Ⅰ これは、来るべき時代のための秘密の書である。これは全てのカトリックの信徒、そうではない者、そしてキリスト教会に対立するあらゆる叛逆者ら、全ての者へ贈る書である。 私は見た、空白の神を。時はミレニアムより十数年、場所はアジアの極東の教会である。空白の神は、私の住む街を支配していた。今朝、私が教会へ向かうと、何ということであろうか、そこに空白の神がいた。神は私の横を通り過ぎながら、こういった。 「...全文を読む

小説 『 洗礼者聖ヨハネの最期 』  

† 小説集 「幻想系」 †


           by  Andrea del Sartoはじめに二十一歳の時にカトリックで洗礼を受けて以来、自分の洗礼名であるヨハネを、自分なりに解釈して物語ろうと計画してきました。これはその試みの最初のものです。ヨハネ関連のものとして、福音書、ウォラギネの『黄金伝説』、ワイルドの『サロメ』、クリステヴァの『斬首の光景』などを参考にし、そこに自分自身の体験も混ぜ合わせました。文体は聖書特有の重厚さを意識して、...全文を読む

小説 『海辺の余白』 

† 小説集 「純文学系」 † 


 『海辺の余白』 はじめにこの作品は、これまでの私が書いてきた全ての作品の中で一番大切なものです。私が考えてきた「余白」のテーマを、幻想的な海辺の街を舞台にして描いてみました。  海辺に余白はあるのだろうか?そう考えながら憐はひとりで波打ち際を歩いていました。 憐は海辺の街で暮らしている、どこにでもいる、おとなしい少年でした。憐はお母さんと小さな弟と、三人で暮らしています。お母さんは街の静かな図書館...全文を読む

小説 『 催眠術師 』 

† 小説集 「幻想系」 †


  ダブリン郊外にある洒落た喫茶店でウェイトレスとして働いているヴァネッサは、今年で十七歳になる歌手志望の少女だった。カトリックが国民の八割以上を占めるこの国に生まれた女性らしく、ヴァネッサにも「幼きイエスの聖テレーズ」という名の麗しい洗礼名が与えられていた。彼女は品が良く、敬虔で歌も巧かったので周りにいる若い男たちからは隠れた人気があった。 ある安息日の朝、その日もヴァネッサは生まれてから通い続け...全文を読む

小説 『 深海の受精卵 』 

† 小説集 「幻想系」 †


 はじめにこのエスキスは、国立現代美術館「トランスフォーメーション展」にて出展されていた高木正勝の「Ymene: 1. idu mi」に、インスパイアを受けて書かれたものです。彼の作品から、私は胎児が発生するまでのめくるめく神秘的な細胞たちの輝かしい運動を感じました。 僕と比呂奈は、一匹の魚となって、現在から遥かに時を隔てた海を泳いでいたのだった。僕らの身体は、既にひとの姿形を喪失していたが、意識だけは未だ分化され...全文を読む

創作仲間の月子さんの短編小説 『 海の見えるホテルと彼女の黒い瞳 』 

† 小説集 「純文学系」 † 


  『 海の見えるホテルと彼女の黒い瞳 』           by Steve Hanksはじめにこの短編は、私と同じカトリックで、創作活動を展開しておられる月子さんという女性の許可を得て、このサイトに掲載させていただいた作品です。月子さんからは、私が書いた『PARERGON』に御親切な感想をいただき、私自身も月子さんの作風が好きだということもあって載せさせていただきました。*2009年クリスマス企画/月子さんの短...全文を読む

小説 『 魔の手紙 』 

† 小説集 「幻想系」 †


 これは、最後の一枚を除く、Nの書いたヘブライ語原文の奇妙な物語を、私なりに日本語に翻訳してみたものである。この小説は、読むことで読者に禍を齎すとされているので、彼の意志に背反して、比較的霊障の少ない訳文のみを掲載することにする(とはいえ、最後の五枚はあまりの怖ろしさゆえに、どうしても公開することができないことをどうか御赦し頂きたい。また、三枚目以降、訳文ですら劣化が激しいが、これは私自身が読むこと...全文を読む

小説 『 ウロボロスの塔 』 

† 小説集 「幻想系」 †


          by Pieter Bruegel de Oude 栞はぼんやりと商店街を歩いていた。頭の中では、「死にたい」という言葉が何度も繰り返されていた。数日前、彼女のクラスメイトの志穂が自殺したのだった。栞にとって志穂は親友とはいえなかったが、毎日顔を合わせるとそれなりに口を交し合う仲だった。栞が志穂と距離を置いていたのは、志穂がクラスの中で権力を持っているグループから目を付けられ、苛められていたためだ。...全文を読む

行方不明になった少女が眼の前にいるにも関わらず……ルイス・ブニュエル『自由の幻想』の奇怪な世界 

† 映画 †


 自由の幻想 [DVD](2001/01/30)ミシェル・ピコリ、ジュリアン・ベルトー 他商品詳細を見る ルイス・ブニュエルの『自由の幻想』(1974)の中には、幾つか非常に奇妙な作品が収録されている。この映画は「不条理」をテーマにした掌編のセレクション(少しずつ微妙にそれぞれの物語が繋がっている)という形式を採用している。アントニオーニの『赤い砂漠』や『太陽はひとりぼっち』などで主演を演じた女優モニカ・ヴィッティが登場...全文を読む

アントワーヌ・コンパニョンのホルヘ・ルイス・ボルヘス論――「神学者」と「ピエール・メナール」について 

† ホルヘ・ルイス・ボルヘス †


 La biblioteca de Babel アントワーヌ・コンパニョンによれば、「現代のエクリチュール」の顕著な特徴とは、「スタグフレーション」に相当するものであるという。曰く、「それは著者の失業(バルトのいう“作者の死”)と、テクストないしアンテルテクストのインフレとが共存している事態を示すだろう。それは盗用や剽窃ではないが、過去の作品や過去の文学的またはロマネスクな登場人物を再び取り上げたり、復活させたりするような...全文を読む

ルウルウにおけるピュアな恋愛観について――マリー・アントワネット・ドゥ・ミラボー=マルテル伯爵夫人『マドゥモァゼル・ルウルウ』 

† 文学 †


 マドゥモァゼル・ルウルウ(2009/12/25)ジィップ商品詳細を見る マドモアゼル・ルウルウ(Mademoiselle Loulou)とは誰か? 彼女は十四歳と六ヶ月で、マホガニー色を帯びたブロンドのヘアカラーが美しい少女だが、屋敷の中ではあえて粗末で奇妙な格好をしている。眼は黄色の入ったグリーンが特徴的で、着物の色と合わせている。姉のディアースと弟のアンリとの仲は大変良い。デュシという名前の、卵のような黄色の太った猫を飼っ...全文を読む

ポール・ド・マンのpara-figural dimensions(パラ−フィギュラルな次元)について 

† ポール・ド・マン †


 by Steve Hanks【パラ-フィギュラルな海辺への旅】 誰もいない、静謐な夏の夕暮れの波打ち際を歩いている。 我々はその体験を「純粋に」表現することができるだろうか?  いかなる比喩化、イデオロギー化の権力にも抗して、純粋にありのままの海辺の姿を文字で表現することができるだろうか? 晩期ド・マンの名高いmateriality(物質性)の概念は、『美学イデオロギー』に登場する。ウォーミンスキーを引きながら土田氏は、...全文を読む

G・ガルシア=マルケス『わが悲しき娼婦たちの思い出』 

† 文学 †


 わが悲しき娼婦たちの思い出 (Obra de Garc〓a M〓rquez (2004))(2006/09/28)ガブリエル・ガルシア=マルケス商品詳細を見る『わが悲しき娼婦たちの思い出』を読み終わった。これも『愛その他の悪霊について』と同じく中篇で、ストーリーも回想が入るものの基本的には直線的に進むので読み易い。私はこれを読んでいる間、実に様々なことを感じた。その一つ一つを全てここで書くことはできないが、文体は上質で格調高かった。遊郭に...全文を読む

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