【  2014年06月  】 更新履歴 

  06.21.  【 † ホルヘ・ルイス・ボルヘス † 】  世界中に根強い愛読者を持つアルゼンチンの巨匠、J・L・ボルヘスの代表的短編「神学者」の謎を読み解くーーポール・ド・マンの「アレゴリー」を媒介に   さわりを読む▼
  06.21.  【 † 映画 † 】  「ルルドの泉」の聖ベルナデッタの人生を映画化――ヘンリー・キング『聖処女』   さわりを読む▼
  06.16.  【 † ポール・ド・マン † 】  なぜ、ヘンリー・ジェイムズの幽霊譚「ねじの回転」は現代思想においてラディカルなのか?ーード・マンの高弟ショシャナ・フェルマン『狂気と文学的事象』のジェイムズ論   さわりを読む▼
  06.15.  【 † 建築学 † 】  これだけは知っておきたい近現代の代表的建築20作品ーーウェインライト・ビルディングからライヒスタークまで   さわりを読む▼
  06.13.  【 † 建築学 † 】  哲学者ウィトゲンシュタインは実は建築家でもあったーーウィトゲンシュタイン設計の邸宅《ストンボロウ邸》における「窓」の秘密   さわりを読む▼
  06.11.  【 † 文学 † 】  パルス・プロ・トト(全体に代わる部分)としての神――ハンガリーを代表するポストモダン作家にして名門エステルハージ家の末裔、エステルハージ・ペーテルの代表作『ハーン=ハーン伯爵夫人のまなざし―ドナウを下って』の世界   さわりを読む▼
  06.10.  【 † ポール・ド・マン † 】  ポール・ド・マン、ジャック・デリダ以後の新しいエクリチュール/レクチュールの可能性について――バーバラ・ジョンソン『差異の世界』   さわりを読む▼
  06.10.  【 † ジャック・デリダ † 】  エジプト神話を読むデリダ、あるいはPharmakeia(パルマケイアー)について――ジャック・デリダ『散種』所収「プラトンのパルマケイアー」   さわりを読む▼
  06.08.  【 † フランツ・カフカ † 】  カフカにおけるtraveling narative(旅する物語)について−−三谷研爾『世紀転換期のプラハ−−モダン都市の空間と文学的表象』   さわりを読む▼
  06.08.  【 † フランツ・カフカ † 】  ジョルジョ・アガンベンのカフカ論「K」(『裸性』所収)――『審判』、『城』についての解釈   さわりを読む▼
  06.07.  【 † モーリス・ブランショ † 】  「書物の淵で、書物の外部で書くこと」――モーリス・ブランショ『書物の不在』を読む   さわりを読む▼
  06.07.  【 † モーリス・ブランショ † 】  “noli me legere”(我を読むなかれ)をめぐって/ポール・ド・マンのブランショ論――『盲目と洞察――現代批評の修辞学における試論』読解   さわりを読む▼
  06.06.  【 † 展覧会 † 】  モダニズムの考古学的装置としてのブロータース――《映画をめぐる美術――マルセル・ブロータースから始める》展を松浦寿輝『波打ち際に生きる』から読み解く   さわりを読む▼
  06.04.  【 † 政治学 † 】  ドゥルーズのリゾーム、ハイエクのカタラクシー、そしてアリストテレスの「ポリス的動物」へーーアリストテレス『政治学』読解   さわりを読む▼
  06.03.  【 † ポール・ド・マン † 】  文学における「狂気」研究の新たな地平へ向けて――ド・マンに学んだイェール学派の才媛、ショシャナ・フェルマン『狂気と文学的事象』読解   さわりを読む▼
  06.01.  【 † 映画 † 】  「現代的であるためには、古典的であれ」ーージャン=リュック・ゴダールの名作『はなればなれに』の中の、classique=moderneについて   さわりを読む▼
  06.01.  【 † 展覧会 † 】  あらゆるものを焼尽させる不穏な「黒」から、明るい「土」色の《永遠の幸福》へ――ジャン・フォートリエ展(東京ステーションギャラリー)の記録   さわりを読む▼

◆2014年05月     ◆2014年06月       ◆2014年07月

世界中に根強い愛読者を持つアルゼンチンの巨匠、J・L・ボルヘスの代表的短編「神学者」の謎を読み解くーーポール・ド・マンの「アレゴリー」を媒介に 

† ホルヘ・ルイス・ボルヘス †


  ボルヘスは「この物語の結びは隠喩でしか語れない」(P60)と述べているが、ド・マンによれば言語の本質そのものが隠喩に他ならない。「世界観」 ドナウ川沿岸で活動する教祖エウフォルブスを首領とするモノトノス派(円環派)という新しい宗派がその邪教を広めつつあり、民衆や聖職者たちの間に動揺と不安が広がっている。「3-4世紀頃に描かれたと推定されるウロボロスの蛇」 ボルヘスは直接「ウロボロス」という単語を用いて...全文を読む

「ルルドの泉」の聖ベルナデッタの人生を映画化――ヘンリー・キング『聖処女』 

† 映画 †


 聖処女 [DVD](2011/04/22)ジェニファー・ジョーンズ、ウィリアム・イース 他商品詳細を見るニューヨークで自殺した亡命チェッコスロヴァキア詩人フランツ・ウェルフェルの小説の映画化で、1943年作品、脚本は「三十四丁目の奇跡(1947)」のジョージ・シートンが書き、監督には「追憶(1941)」「シカゴ」のヘンリー・キングが当たり、撮影は「アンナとシャム王」のアーサー・ミラーが担任した。主演は「ラブ・レター(1945)」のジェニ...全文を読む

なぜ、ヘンリー・ジェイムズの幽霊譚「ねじの回転」は現代思想においてラディカルなのか?ーード・マンの高弟ショシャナ・フェルマン『狂気と文学的事象』のジェイムズ論 

† ポール・ド・マン †


 Kristen McMenamy by Paolo Roversi ショシャナ・フェルマンはヘンリー・ジェイムズの『ねじの回転』における「幽霊」について、それをまず「線消しにされたシニフィエ」、あるいはnobody(何者でもない者)と規定する。幽霊、それはまず何よりもnon-chose(非-事物)であり、かつnon-corps(非-肉体)なのだ。フェルマンの分析によれば、興味深いことに『ねじの回転』ではヒロインが「手紙(=他者の知)を読む」行為によって...全文を読む

これだけは知っておきたい近現代の代表的建築20作品ーーウェインライト・ビルディングからライヒスタークまで 

† 建築学 †


 近現代建築 (アート・イン・ディテール)(2011/10/07)アンソニー ハッセル、ジェレミー ハーウッド 他商品詳細を見る本書は近現代建築の最重要例を知りたい読者には、最上の入門的ガイドブックになるだろう。写真も観易く、細部の特徴をペーパーカットした窓越しに観察できる丁寧な作りの本である。私が本書に紹介されている近現代建築家の中で、特に惹かれたのはこの四人だった。・ポンピドー・センター(リチャード・ロジャース/...全文を読む

哲学者ウィトゲンシュタインは実は建築家でもあったーーウィトゲンシュタイン設計の邸宅《ストンボロウ邸》における「窓」の秘密 

† 建築学 †


   哲学者ウィトゲンシュタインには実は《ストンボロウ邸》という建築作品が存在する。 姉のマルガレーテ・ストンボロウ=ウィトゲンシュタイン(彼女はクリムトのモデルの一人でもある)とその夫のための邸宅であり、1926年の11月13日付けの建築プランにはウィトゲンシュタイン自身のサインがある。建築を担当した代表者はアドルフ・ロースの弟子の一人パウル・エンゲルマンだが、彼はこの建物のプラン自体はウィトゲンシュタイ...全文を読む

パルス・プロ・トト(全体に代わる部分)としての神――ハンガリーを代表するポストモダン作家にして名門エステルハージ家の末裔、エステルハージ・ペーテルの代表作『ハーン=ハーン伯爵夫人のまなざし―ドナウを下って』の世界 

† 文学 †


 ハーン=ハーン伯爵夫人のまなざし―ドナウを下って (東欧の想像力 3)(2008/11/30)ペーテル エステルハージ商品詳細を見る  エステルハージ・ペーテルは現代ハンガリーを代表する小説家で、ハンガリーの名門エステルハージ家の末裔である。彼は二十代の頃から小説を書き始め、『生産小説』(1979)のポストモダン的作風で賛否両論を巻き起こした。彼の作品群はヨーロッパ圏を含め世界20カ国以上で翻訳され、現在はハンガリーを代表...全文を読む

ポール・ド・マン、ジャック・デリダ以後の新しいエクリチュール/レクチュールの可能性について――バーバラ・ジョンソン『差異の世界』 

† ポール・ド・マン †


 Katie Fogarty by David Slijper | Flowers 「ポール・ド・マン・ルネサンス」である現在、イェール学派の論客が再び熱い注目を浴び始めている。このページでは、ポール・ド・マンに学び、ジャック・デリダの英訳でも知られている現代アメリカを代表する女性批評家バーバラ・ジョンソンの代表作『差異の世界』の「序」、一章「栄光と転落」、二章「厳密なる非信頼性」、六章「猟犬、鹿毛の馬、雉鳩」の記録を残す。特に一章はド・...全文を読む

エジプト神話を読むデリダ、あるいはPharmakeia(パルマケイアー)について――ジャック・デリダ『散種』所収「プラトンのパルマケイアー」 

† ジャック・デリダ †


 散種 (叢書・ウニベルシタス)(2013/02/20)ジャック デリダ商品詳細を見る このページ以降、刊行されて以来Twitter上などでも目を見張るほどの注目を浴びている初期デリダの重要著作『散種』についての記録を残す。デリダの存在は、『思想』(2013年7月号/岩波書店)で本格的なポール・ド・マン特集が組まれたことと相関して、いよいよ二十一世紀初頭の現代において重要になりつつあることは周知の事実である。翻訳が困難な怪物的...全文を読む

カフカにおけるtraveling narative(旅する物語)について−−三谷研爾『世紀転換期のプラハ−−モダン都市の空間と文学的表象』 

† フランツ・カフカ †


 Sofia Vergara by Marc Hom【世紀転換期のプラハ】 フランツ・カフカ(Franz Kafka, 1883年7月3日 - 1924年6月3日)が生きた社会的背景について理解するために、彼の故郷であるプラハについて記録しておく。その上で役立つ貴重な資料となるのが、大阪大学大学院文学研究科教授の三谷研爾氏の『世紀転換期のプラハ−−モダン都市の空間と文学的表象』(2010)である。このページは、本書に対する私の読解記録を中心にしている。 「...全文を読む

ジョルジョ・アガンベンのカフカ論「K」(『裸性』所収)――『審判』、『城』についての解釈 

† フランツ・カフカ †


 裸性 (イタリア現代思想)(2012/05/27)ジョルジョ・アガンベン商品詳細を見るジョルジョ・アガンベンのカフカ論「K」(『裸性』収録)を読了したので記録を残す。【『審判』について】古代ローマ法からカフカの『審判』が読解されている。Kはkalumniator(誣告者)の頭文字であり、アガンベンはカフカのイニシャルであるというマックス・ブロートらの一般論を退けている。言葉の意味を説明すれば、「誣いる」(事実を曲げて悪く言う...全文を読む

「書物の淵で、書物の外部で書くこと」――モーリス・ブランショ『書物の不在』を読む 

† モーリス・ブランショ †


 Times Winged Chariot by Serge LeBlon モーリス・ブランショの『書物の不在』を読んだ。これは月曜社の叢書「エクリチュールの冒険」の第一階配本として、また「ブランショ生誕百周年記念」として2007年に刊行された、若干80ページほどの、ページから装丁まで全てが朱色の稀有な書物である。この作品を読んでいる時の感覚は、デリダの『火ここになき灰』に近かった。終わることのない、途切れない作者自身による思弁的モノローグ...全文を読む

“noli me legere”(我を読むなかれ)をめぐって/ポール・ド・マンのブランショ論――『盲目と洞察――現代批評の修辞学における試論』読解 

† モーリス・ブランショ †


 Miranda Kerr by Greg Kadel【テクストの本質、あるいは“noli me legere”(我を読むなかれ)」 本を読む行為の本質はポール・ド・マンが述べるように、作者と読者という二つの主観性が、相互に破壊し合うように恊働するプロセスを前提としている。リーディングにおいて我々は、自身に固有の同一性を忘れるように仕向けられる。作者と読者は、同じテクストを媒介にしてそれぞれ個別具体的な自己から離脱せんとする衝動によって結び...全文を読む

モダニズムの考古学的装置としてのブロータース――《映画をめぐる美術――マルセル・ブロータースから始める》展を松浦寿輝『波打ち際に生きる』から読み解く 

† 展覧会 †


 マルセル・ブロータース《北海の航海》 このページでは、近年国際的な再評価が集まっている映像作家マルセル・ブロータース(Marcel Broodthaers 1924-1976)についてまとめておく。 南カリフォルニア大学映画学科学科長で、『原子の光』で美学系の研究者に多大な注目を集めたリピット水田堯氏はブロータース論「無メディウム――映像アート」の中で、この特異な映像詩人の作品に見られる特徴について、ロザリンド・クラウスを参照...全文を読む

ドゥルーズのリゾーム、ハイエクのカタラクシー、そしてアリストテレスの「ポリス的動物」へーーアリストテレス『政治学』読解 

† 政治学 †


 政治学 (中公クラシックス)(2009/11/11)アリストテレス商品詳細を見るアリストテレスの『政治学』を読んだので、ここに記録を残しておきたい。いうまでもなく、この古典は我々にとってこれからも何度も再読されるべき価値を持っているものである。ここでの記録は、現時点での私の読解と考えてもらいたい。私がアリストテレスの『政治学』を読む上で依拠する政治的な理論を先に概略程度に紹介しておく。私は現代政治を確固たる視座...全文を読む

文学における「狂気」研究の新たな地平へ向けて――ド・マンに学んだイェール学派の才媛、ショシャナ・フェルマン『狂気と文学的事象』読解 

† ポール・ド・マン †


 全文を読む

「現代的であるためには、古典的であれ」ーージャン=リュック・ゴダールの名作『はなればなれに』の中の、classique=moderneについて 

† 映画 †


 はなればなれに [DVD](2001/12/22)アンナ・カリーナ、サミー・フレイ 他商品詳細を見る 久し振りにジャン=リュック・ゴダールの『はなればなれに』(1964)を観た。『彼女について私が知っている二、三の事情』や、『中国女』などを観ていて私が感じているゴダールへの印象というのは、この監督のテーマがエクリチュールそのものであり、「文字」に対する強度の嗜好性が随所に示されているということである。例えば、ヒロインの...全文を読む

あらゆるものを焼尽させる不穏な「黒」から、明るい「土」色の《永遠の幸福》へ――ジャン・フォートリエ展(東京ステーションギャラリー)の記録 

† 展覧会 †


  これは、東京ステーションギャラリーで開催中のジャン・フォートリエ展の記録である。 フォートリエといえば、一般的に「アンフォルメル」の画家という位置付けがなされることが多いが、今回の展覧会の構成ではそうした解釈を、画家の人生を俯瞰することでより広い眼で総体的に再解釈し、この画家が「具象」から「抽象」へとシフトしていったプロセスを丹念に追跡している。二つの戦争という「傷」によってずたずたに引き裂かれ...全文を読む

更新履歴カレンダー