† 映画 †

『 Olympus Inferno オリンポス・インフェルノ 』の感想



Olympus Inferno オリンポス・インフェルノ

出演: マーティン・ローレンス, ルーク・ウィルソン, ウィリアム・フォーサイス

2008年8月6日 ­
その日、アメリカの若い昆虫学者マイケルと幼馴染であるロシア人のジェーニャは、 ­
幻といわれる蝶「オリンポス・インフェルノ」を採取するため、南オセチアに向かう。
そんな中、8月8日北京オリンピック開催のまさにその日、 ­
彼らはグルジア軍による南オセチア侵攻を目撃。
否応なしに戦火に巻き込まれていく・・・




この映画、もっと早くに観ておけば良かった。
グルジアで起きた紛争について、実は私は一度そこで生きる子供たちをテーマにした短い掌編を書いたことがありました。
その時の取材で使った資料は、朝日新聞で連日のように掲載されていた「廃墟」や「戦車」の写真に文章。
映画を観て、「映画」というものの持つ強大なメッセージ発信力に改めて驚きました。
正直、もしもこれを小説の「脚本」として読んでも、私にはあまりインパクトがないように感じられます。
でも、実際に「映像」としてみると、本当にリアリティーが違う。
実際に起きた紛争をテーマにしており、しかも軍の「機密」を知ってしまった若いジャーナリストの立場から描かれているので、「作品が何を伝えようとしているのか」が痛いほど伝わってきます。
こういったことは、旧日本軍の間でも起きていたのかもしれません。

傷ついた子供をその場で集めた道具で手術するシーンがあります。
それを観ているとき、助けている主人公二人が「イエス」様の現存のように思われました。
こういう危機的な状況の中で、自分の身を曝してひとを助けようとする力を描いたということだけでも、もっとこの作品は知られるべきだと思います。
実はこれを観ていて、アントニオ・ネグリとマイケル・ハートの『マルチチュード』でテーマになっている<帝国>のことを意識してしまいました。
本当にたまたまその場に足を踏み込んだばかりに、ジャーナリストが突然戦火に巻き込まれてしまう。
「戦争」が常に遍在していて、安全な場所、地域などどこにもないといっていたネグりたちのテクストを想起しました。
この作品は、日本ではまだDVD化されていないそうですが、非常にシリアスで考えさせられる資料として、やはり公共図書館などでは閲覧可能な状態にしておくべきだと思います。



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