† 映画 †

『真珠の耳飾りの少女』の黄金色の髪の毛

真珠の耳飾りの少女 通常版 [DVD]真珠の耳飾りの少女 通常版 [DVD]
(2005/01/25)
スカーレット・ヨハンソン、コリン・ファース 他

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非常に映像の美しい映画だった。主要人物である「真珠の耳飾の少女」であるグリートを演じたスカーレット・ヨハンソンも、画家フェルメールを演じたコリン・ファースも、どちらかといえば寡黙で、視線や表情によって演技している場面が多かったように思う。舞台は1665年のオランダ、デルフルトで、フェルメールは既に富裕なパトロンを抱えている。彼の家に小間使いとして雇われるのがグリートだ。
細やかな手作業の描写にリアリティーがあった。初めは白かったはずの彼女の綺麗な手は、小間使いとしての厳しい仕事で傷が多くなり始める。そうした微妙な変化や、彼女の視線で捉えた画家フェルメールの威厳のある姿などには独特な芸術性が宿っていたように思う。この一枚の絵が成立するまでのドラマを描いているわけだが、おそらくフェルメールは自分の妻以上に、この少女の美貌を高く評価していたのだろう。妻の大切にしている真珠の耳飾を付けさせてまでモデルにしようと考えるのだから。激昂した妻は、フェルメール夫人としての自分を描いてこの耳飾を登場させて欲しかったのだろう。
フェルメールが使っていた絵の具の材料なども、当時のものを再現しているように感じられ、17世紀の画家たちの活動を知る上でも参考資料になると思う。おそらく、この映画で最も問題的な点をあえて述べるとすれば、それはこの「髪の毛が描かれていない」小女の金色の美しい髪を、フェルメールが密かに覗いてしまう描写だろう。これはフェルメールのこの絵に強い思い入れを持っている研究者からすれば、いわば「神秘的」な次元にまで達している想像性に関わる場面だと思われる。絵画で描かれた彼女も美しい作品だが、あの眩しい陽光を浴びながら窓辺で髪の毛を解きほぐしている少女の姿も、一見の価値のある場面だと感じる。




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