† 貴族文化 †

〜エレガンスの全ての基本は「自分をまず心から愛する大切さ」〜20世紀を代表する貴婦人ナディーヌ・ロスチャイルド『ロスチャイルド家の上流マナーブック』


ロスチャイルド家の上流マナーブック―ナディーヌ夫人が教える幸せの秘訣 (光文社文庫)ロスチャイルド家の上流マナーブック―ナディーヌ夫人が教える幸せの秘訣 (光文社文庫)
(1998/02)
ナディーヌ ロスチャイルド

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(1)自分と付き合うマナー

【自分をまず心から愛する大切さ】

「自分自身に尊敬を抱けば抱くほど、他人を尊敬できるようになるのです。自分を尊敬することができなければ、絶対に他人を尊敬することもできないと私は思っています。ですから、自分自身に対し、できるかぎり良いイメージを築き上げてください。まず最も簡単な方法から入っていきましょう。自分自身を、あらゆる注目に値する人間だと思うことです」(p19)

「あなたは友達の前に、しみや皺の入ったドレスに、ぼさぼさの髪をして出られますか。ですから、自分自身に対しても、自分の価値を下げるような身なりを見せてはいけません。「何のためになるの?」「装って何になるの?」「出かけて何になるの?」「旅して何になるの?」「生きてどうするの?」――このように自分の言動を軽視する態度が、すぐに他のことにも影響していくのです。たとえば、服を選ぶ際の心配り、考え方の正確さ、友人の選択の仕方、とりわけあなたの道徳心へのこだわりが欠けていってしまうのです。私はティーパーティーにお招きしたお客様に、縁が欠けたティーカップは出しません。他の人にしないことは、私自身にもしません。あなたもそうでしょう。一人でいるときこそ、自分の持っている中で最も美しい上等のカップを使ってください。あなたはそうするに値する人なのですから。今晩、もし一人で夕食を取るなら、帰宅するときに花と美味しいデザートと、お気に入りのものを自分自身に買ってあげるのです。香水がもうなくなっていたら、誰かが贈ってくれるだろうと期待して、誕生日まで待っていてはいけません。
 待ってはいけないのです。人生はあまりにも早く過ぎてしまうのです。たとえ、自分ひとりしかたよりにならなくても、満足し、輝いた女性でいてください。つまり、自分と付き合うマナーは、「あなた自身を好きになりなさい」という言葉に尽きるのです。人生を愛するには、まず自分自身を愛さなくてはいけないのです」(p20−21)

ピオット《ジェーン・Femme》
アドルフ・エティエンヌ・ピオット《ファム・ジェーン》

【女性のエレガンスについて】

「女性のエレガンスについて話すことは、とても難しいことです。何故なら、ジブラルタルの岩壁のように確固とした男性のエレガンスとは異なり、モードは毎年変わり、そして女性は流行を追いかけるからです。しかし、モード=エレガンスでしょうか。…私はといえば、流行を少しだけ取り入れます。例えば、シャネルのスーツやベルト付きのシャツドレスを同じデザインで色と布を替えて何回もつくります。それから、靴、バッグそして手袋といった小物はとても重要だと思います。私の唯一の気まぐれは、本物でも偽物でもジュエリーを一日中時間かまわず身につけることです」(p22−23)

【ドレス】

「いつも量より質を好むようにしてください。並のドレスを三着持つより、カットと質の上等なドレスを一着持つ方が良いのです。着ているドレスに自信が持てれば、自分の歩き方や振る舞いにも余裕と自然さが加わると思います。冬にはダークカラーを選んでください。黒、グレー、濃い緑、紺、赤など。そして夏は、あらゆる色、あらゆるプリント、もちろん黒と白の組み合わせでも良いでしょう」(p23)

【黒のドレスの大切さ】

「黒はあらゆるジュエリーと合い、それらを引き立てます。黒いドレスはまた、色、素材、デザインに関わらず、あらゆるアクセサリーと合うのです。ところで黒いドレスは、何時から着られるのでしょうか。素材がサテン、シルククレープ、またはビロードの場合を除けば、朝九時からです。ジャージー、ウール、ギャバジン、ニット、カシミヤ、コットン、ポプリンや麻には時間の決まりはありません」(p24)

【ベルト】

「ベルトはドレスやスカート、パンツにとって大切な要素です。ズボンが落ちるのを支えるだけの男性用とは違い、女性のベルトは、ウエストが見事にくびれている場合には特に視線を浴びます。数本の美しいベルトを持っていると便利です」(p28)

【手袋】

「手袋の色は、靴と同じでなくてはいけません」(p28)

【スカーフ】

「スカーフは、何年間も洋服箪笥の中で重なって眠ります。というのは、もう身につけなくなっても一枚一枚にそれぞれ思い出があるからです。夫からあるいはお母様から、または娘さんからの、あるいは昔好きだった人からの贈り物だからです。こうした離れがたいスカーフを、額縁に入れて飾ることもあります。スカーフは、街中や郊外、山などあらゆる所で着用することができます。とくに地味でいかめしい装いのとき、一枚のスカーフが陽気で楽しい気分にさせてくれます」(p29)

【ポケットチーフ】

「スーツに華やかさを添えるのがポケットチーフです。夫のものを時々拝借しますが、レースのポケットチーフも女性らしくて、私の好きなものの一つです。ハンカチーフについては、お祖母様の時代に流行したバティスト(やわらかい薄地の平織りのリネン)や、レースの正方形の小さなものを持ってみると素敵です。暇な時に、自分のイニシャルを刺繍なさってはいかが。そして、バッグに入れる前に香水を二滴ほどつけてごらんなさい」(p29)

ピオット《赤薔薇を持つ若い美女》
アドルフ・エティエンヌ・ピオット《赤薔薇を持つ若い美女》

【香水とオー・ド・トワレ】

「額縁のない巨匠の絵を思い浮かべてください。すばらしいけれども、何かが欠けているでしょう。香水をつけていないエレガントな女性も同様です。香りはあらゆる感覚を高め、イマジネーションを惹き起こし、官能に呼びかけ、キスを招き寄せ、思い出を残すのです。そのためには、あなたの肌や個性、そして職業によくマッチした香りを見つけなくてはなりません。唯一、既婚の男性のみが香水をつけている女性を嫌います。なぜなら、彼の妻が夫のシャツの襟に、シャネルNo.5や、ニナ・リッチのレール・デュ・タンを嗅ぎ分けてしまうからです。不道徳な話ですけれど、男性の皆様、あなたのガールフレンドに奥様と同じ香水を贈られてはいかがでしょう。…香水は、あなたの出現を知らせるものでも、ことさらに存在を主張するものでもなく、あなたの影のようについてまわるものでなくてはなりません。香水は耳の後ろ、手首や、バストの谷間につけます。朝はオー・ド・トワレをつけ、エクストレは夜と都会に限られます(郊外ではオー・ド・トワレを節度を持ってつけます)。

【ジュエリーを身につけるためのマナー】

「女性がこの世に存在する限り、ずっと女性たちはジュエリーを集め続けるでしょう。私たちは、まがい物の指輪やネックレスは惜しげも無く手放しますが、高価なものは一生大切に持っているものです。年齢を重ねれば重ねるほど、ジュエリーは高価なものへと変わってゆくのです。四十歳になると、若い時に結婚一周年の記念に、夫から贈られた三粒のパール入りゴールドの小さなブローチや、バリ島旅行で買ったサファイア入りのホワイトゴールドの細い指輪も、もう着けられません。こういうものは、ノスタルジックな思い出の品物として宝石箱の奥にしまっておくか、娘たちがいれば、年頃になるまで待って、彼女たちに贈るのです。こうしてジュエリーは、母から娘へと代々受け継がれていきます。…もしあなたが美しいジュエリーをたくさん持っていたとしても、一度にたくさんのジュエリーは禁物というルールは頭に入れておいてください。いくつもの指輪やネックレス、ブレスレットを同時に着けている女性は、品がないように思われます。同様に、お客様を自分の家にお招きするときは、お客様のほうが地味にならないように、招く側は控えめなジュエリーを選ぶようにしたいものです」(p32−33)

【男性のエレガンス】

「昔も今も、ロンドンは依然として男性のエレガンスの中心地です。イタリアとフランスのクチュリエたちは、シックさとアイデアと腕を持っています。しかしイギリス人には、それ以上のプラスαがあります。それは伝統です」(p38)

【タキシード】

「最もエレガントなタキシードは、グラン・ドゥ・プードゥル(粒状のしぼのある布地)、バラテア(ウールとモヘアの混紡)、あるいは純毛の黒で、襟の折り返しはつや消しのサテンかオットマン(横方向に凹凸のある厚手の布地)です。夏には、ジャケットは白のシルクで、パンツはウール・ギャバジンの黒いものでも良いでしょう。シャツは、シンプルな白いボイルか、ダブルカフスの細かいプリーツ入りのものにします。それに黒い蝶ネクタイと、シルクかグログランのプリーツ入りの黒いカマーベルトを着けます。靴下は、黒(透けていないほうが好ましい)に、黒いエナメル製の紐靴。ポケットチーフは白か、または遊びのあるもので良いでしょう。燕尾服には、控えめなパールのプラストロン(飾りのあるシャツの胸元)用のアクセサリー。タキシード用には、パールか七宝製のアクセサリーを。スポーティな時計は絶対に禁物です。燕尾服の時には、懐中時計にします」(p43)

【アクセサリー】

・結婚指輪(これはアクセサリーとはいわず、絶対外してはならないものです)。
・シュヴァリエール(貴族が左手の小指にする家紋入りの金の指輪)。ただし、家紋がある時ですが。
・ネクタイピン
・懐中時計

【香水】

「アフターシェイブのあと、控えめで男らしい香り(ラベンダー、ベチベル、フローラル系はいけません)のオー・ド・トワレをつけます。ハンカチーフにも数的落とすと良いでしょう」

【一人前の紳士に相応しくないスタイル】

・ジャケットの下に着ている半袖のワイシャツ
・靴下留め
・チェーンのブレスレットやネックレス
・シュヴァリエールを除く指輪
・五十歳以上の男性が、スカーフをしないでジャケットの上にワイシャツの襟を開けて出すこと
・レースの胸飾り付きワイシャツ
・ハンカチーフやトランクス、あるいはバスローブに紋章を刺繍すること。紋章はシーツやテーブルクロス、ナプキンにするものと決まっています。ただし、ハンカチーフやシャツにイニシャルを刺繍するのはかまいません
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