† 展覧会 †

「101年目のロバート・キャパ――誰もがボブに憧れた」展(東京都写真美術館)の記録

Robert Capa on assignment in Spain  using an Eyemo 16mm movie camera    Image by Gerda Taro
Robert Capa on assignment in Spain using an Eyemo 16mm movie camera Image by Gerda Taro

 ロバート・キャパは「意志的楽観論」(サイード)の持ち主であり、戦争の悲愴さだけではなく苛酷な状況を笑顔で吹き飛ばそうとする人々の明るい姿を撮影している。インドシナ戦争に従軍中に地雷で命を落とすという最期のエピソードや、生涯に渡ってホテル暮らしで拠点を持とうとしなかった点などから、彼が徹底した「現場主義者」であったことが窺える。女優イングリッド・バーグマンとのロマンスなど、その生涯は華やかである。

Robert Capa - Ingrid Bergman   Hollywood 1946
Robert Capa - Ingrid Bergman   Hollywood 1946


 キャパが生涯唯一、自ら結婚を望んだという女優イングリッド・バーグマン。
 それにしても、何という素晴らしいアングルだろう。どこかアンニュイでありながら、キャパはおそらくこの女性が最も耽美的に映し出されるポイントを完璧に理解していたのだと思われる。輝かしいauraを感じさせる一枚。

Truman Capote holding a pet dog, Italy, 1953 -by Robert Capa
Truman Capote holding a pet dog, Italy, 1953 -by Robert Capa

 若い頃のカポーティは、若い頃のショスタコーヴィチに似ていないだろうか?

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London UK 1941 by Robert Capa



 この写真は、私が彼女と館内を歩いていて最も惹き寄せられた一枚である。バルテュス的なアトリビュートである「少女と猫」が揃っている点と、舞台がモノクロを最も美しく際立たせる裏手の庭の茂みである点が素晴らしい。


Omaha Beach   Normandy, France [1944]  Photographer- Robert Capa
Omaha Beach   Normandy, France [1944]  Photographer- Robert Capa



 スピルバーグの『プライベートライアン』の名高い序盤シーンはノルマンディー上陸作戦の凄惨な場面を、圧倒的な迫力で描き尽くしているが、監督はキャパのこれらの写真を踏まえているという。あの映画の戦火の轟音が写真から響き渡ってくるようだ。


ROBERT CAPA American soldiers landing on Omaha Beach D-Day Normandy France June 6 1944
ROBERT CAPA American soldiers landing on Omaha Beach D-Day Normandy France June 6 1944

Robert Capa (1913-1954) ‘Lovers’ Parting near Nicosia, Sicily’ July 28  1943
Robert Capa (1913-1954) ‘Lovers’ Parting near Nicosia, Sicily’ July 28  1943


 戦列からやや離れたところで、おそらくは恋人であろう女性と隣り合って歩く若き兵士の姿。彼らは「家族」となったのだろうか、それとも命を失ってしまったのだろうか。このたった一枚の写真だけでも、戦争の痛み、泪が隠喩的に残響してくる。


Japanese children by Robert Capa 1954
Japanese children by Robert Capa 1954


 1954年、終戦から九年ばかり経過した東京の駅。
 駅は今も昔もあまり変わっていない。そこには人がいて、今日も運ばれていく。






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