† 映画 †

赤い悪魔が到来した理由――カルロス・レイガダス『闇のあとの光』(第65回カンヌ国際映画祭監督賞受賞作)

闇のあとの光 [DVD]/ブロードウェイ

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冒頭、美しい自然が縮小された画面サイズのフレームの中で描写されている。
湿度の高さ、濃密な家畜の息遣い、不穏さ、というよりも大地の無垢さ、素朴さ。
この映画のテーマの一つに、ロマン主義的な大地讃歌がある。
「犬」を殴る、「木」を伐採するといった自然への暴力をふるったことで、得体の知れない「赤い悪魔」が登場したように考えられる。
自然に囲まれて生活している者たちの中で、殺人や広い意味での自然破壊に加担した者への制裁なのだろうか。
夫フアンの妻ナタリアが乱交サークルに参加する場面は、アメリカ映画に往々にして見られるような扇情的な演出はなく、至って静かであるがゆえにかえって官能的ではないだろうか。
山中を運転中に、ナタリアとフアンが手を握り合う場面が一瞬だけ見えるが、その時、どちらかがリングを嵌めている。
これを観た時、なぜか私はペアリングが欲しくなった。
なにげない映画のワンシーンから、映画の流れとは無関係な観念を得ることは常にある。


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