† 文学 †

この宇宙の謎を解く鍵は絵本に存在する

ぼくがまだランドセルをせおっていたころ・・・

私たちには今でも絵本を読む力があり、あの頃読んで旅した素晴らしい童話たちは、今でも私たちの魂の内部で成長を続けていると思います。
このページでは、私が小さかった頃に教室で話題になっていた本、あるいは私自身が好きだった物語を「絵本」中心で紹介していきます。

エルマーのぼうけん 3冊セットエルマーのぼうけん 3冊セット
(1993/12)
ルース・スタイルス・ガネット

商品詳細を見る


私が愛しているのは一巻の「エルマーのぼうけん」です。
何事もそうですが、「冒険」に出る前が最も愉しいものです。
つまり、主体は何らかの形式で「冒険に出る」前から「冒険」を先取的に経験しているのであって、エルマーの場合もまさにそうです。
エルマーが港町クランベリまで辿り着く手段は、ファンタジー世界らしく「船員の担ぐ縄袋」に身を潜めて・・・というものでした。
親にも内緒で、見知らぬ世界をひとりで旅するエルマーとは、人間存在の象徴といえるでしょう。

ちなみに、挿絵を描いている方と物語を記している方は夫婦です。
これはなんと素敵な仕事でしょうか、しかもそれを娘に聞かせてあげるとなると・・・(でもこういう家庭に限って娘はロレンスに走るのでしょうね)。
とにかく、非常に上質な童話であることに変わりませんし、私はこれを大人が読み、子供に聞かせてあげることで、自分自身も成長すると考えています。

ゆめくい小人ゆめくい小人
(1981/12)
ミヒャエル=エンデ

商品詳細を見る


この本を借りている女子が小学生の時にいて、かなり気があって給食の時とか笑かしあっていたのですが(いわゆる壷が同じというやつですね)、そいつが「この小人キモイ」などといっているにも関わらずけっこう愉しんで読んでいた本です。
私の母もこれが好きです。

この世界においては、一番ぐっすり眠れるひとが王族です。
主人公のまどろみ姫はそんな王族の可愛らしいお姫様。
けれど、彼女は怖い夢を見るようになってしまい、困り果てた王様は「ゆめくいこびと」を探す旅に出て・・・という、かなり神秘的でボルヘジックな作品です。

何より神秘的なのは、絵です。
絵本の偉大さは、それが絵画素と書記素によって世界構築できている点にありますが、本作は絵もどこか神秘的です。

ちなみに、あの頃の女子となにげに「ゆめくいこびと」の顔が似ていると思っていた書き手でした。

おしいれのぼうけん (絵本ぼくたちこどもだ 1)おしいれのぼうけん (絵本ぼくたちこどもだ 1)
(1974/11)
古田 足日

商品詳細を見る


これは私の親友で、大人になったら一緒にエジプト旅行をしようと決めていた男の子が好きだった本です。
幼稚園で、二人の少年が喧嘩をして、先生が戒めのために押入れに閉じ込めます。
すると、二人は押入れの奥にトンネルが続いているのを発見し、奥に進むと・・・?

この作品には「トンネル」として異次元との通路が登場します。
小さい頃ってこういう設定が好きですよね、宮崎駿さんの有名な作品もこんな感じで繋がります。
ちなみに、フッサールは『イデーン』という本で、こうした虚構的事物が意識に到来する構造に目を向けて、徹底的に分析しました。
そこから「エポケー」、つまり現象学的還元という操作が生まれたのですね。

でも、そんな小難しいことは抜きにして、本作はとても面白い童話です。

キツネ山の夏休み (ジョイ・ストリート)キツネ山の夏休み (ジョイ・ストリート)
(1994/07)
富安 陽子

商品詳細を見る


そしてこれです。
これは私が個人的に非常に好きな物語で、正直いって、これほど「そこに入りたい世界」はありません。
おそらく少年時代に読み耽った作品のうち、芥川の「魔術」と並んで私自身のベスト3に入る作品でしょう。

ひさしというおとなしい感じの少年が、夏休みにおばあちゃんの家に行くという話です。
そのおばあちゃんの家の付近にキツネを奉ったような山があります。
ひさしが田舎へ向かうまでの電車の中で、キツネのような少年がトンネルに入る前かその直後に現れます。
そのシーンは幼心にとって非常に印象的でした。
おばあちゃんの家に行ってからどうだったのかというと、具体的には思い出せません。
繰り返しますが、私が好きなのは全てプロローグや序章、つまり「冒険が始まる前」なのです。

この作品は今でもゆっくり時間をかけて読むと、おそらく「安らぎ」が得られると思います。
関連記事
スポンサーサイト
*Edit TB(0) | CO(0)



~ Comment ~















管理者にだけ表示を許可する

~ Trackback ~


Back      Next