デヴィッド・フィンチャーの『The Game』の中に存在する、ヘンリー・ジェイムズの「幽霊」
マイケル・ダグラス主演の『The Game』は、個人的に非常に印象的な作品だ。
特に、冒頭の回想シーンと、それに続くシーンのフラッシュバックが入る箇所には、ストーリーラインとは別の深みがある。
幼年時代の回想として、パーティーが愉快に描かれつつ、父親の仕事を暗示させるような描写も入っているように感じるが、やがて彼が洋館の屋上の上に立つ幻想的なシーンへと接続される。
この父親が夕陽を浴びながら、投身自殺する直前の光景は、私がこれまで観てきた映画の中で、最も怖ろしく、そして美しい映像だった。
流れている悲哀を感じさせるピアノ曲の選択も巧みである。
不思議な接点だが、私は父親の死の直前の姿を観て、ジェイムズの『ねじの回転』で、洋館で働くことになった女性の前に最初に現れた不気味な紳士服の男性のことを想起した。
『ねじの回転』は、映画作品としてはニコール・キッドマン主演の『アザーズ』のライトモチーフになっていたはずだが、もしかするとフィンチャーは、このシーンでジェイムズへの映像的オマージュを捧げた可能性もある。
特に、冒頭の回想シーンと、それに続くシーンのフラッシュバックが入る箇所には、ストーリーラインとは別の深みがある。
幼年時代の回想として、パーティーが愉快に描かれつつ、父親の仕事を暗示させるような描写も入っているように感じるが、やがて彼が洋館の屋上の上に立つ幻想的なシーンへと接続される。
この父親が夕陽を浴びながら、投身自殺する直前の光景は、私がこれまで観てきた映画の中で、最も怖ろしく、そして美しい映像だった。
流れている悲哀を感じさせるピアノ曲の選択も巧みである。
不思議な接点だが、私は父親の死の直前の姿を観て、ジェイムズの『ねじの回転』で、洋館で働くことになった女性の前に最初に現れた不気味な紳士服の男性のことを想起した。
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